7/12の記憶(後編)

 道なりにほってほってと歩を進めていくと作中で使われてる「長瀬家」があったのですが、何故かテレビの取材班が中で撮影していたので入館を一旦見送りスルー。先に鉄平ハウス方面に向かいまして。程なくして鉄平ハウス=沙都子の家は見つかったのですが、沙都子のことを思うと胸が痛みました・・・。

沙都子の家はワタクシでも分かったのですが、その斜向かいにある家がレナの家だとは露知らず。つーか、普通に人が住んでる民家なんで写真を撮るのを躊躇いましたが、せっかくの機会ですんで一枚。

そして、遂に梨花ちゃまハウスを発見。

一目見た瞬間に脚立片手に2階の窓から雪崩れ込みたい衝動に駆られましたが、自制自制。梨花ちゃまハウスの前の上り坂は、これまた著名な「嘘だッ!」坂。

この坂を上っていった先は、先日の日記で紹介した展望台となっております。ちなみに、梨花ちゃまハウスの横手の森は、圭一がレナから逃げ回った森な模様。


 この区画からメインストリートの方面に進むと、左手に園崎本家が、右手に公由家が見えます。まぁ公由家は家とは名ばかりの掘っ立て小屋風味なんですがねw。一方の園崎家は入館料を取られるくらいの観光スポット*1。結構大勢の方が内部を徘徊してらっしゃいましたが、ワタクシたちは通常の展示物には目もくれず、ただひたすら作中の舞台となったスポットを巡るのみw。魅音とお魎が密談してた居間を見た時はテンションが上がってしまったので、きっちり撮影。

傍から見れば何の変哲も無い居間なんで、そこで写真を撮ってたのはウチらだけでしたw。2階にも上ってみたりしたのですが、階段が微妙に急勾配なんで、ここでもワタクシの高所恐怖症スキルが発動。だもんで、その階段こそが作中でいうところの地下祭具殿への階段だとはついぞ気付かず・・・。だって下りるのに必死だったんだものw。ちなみに、2階からは牧歌的な田園風景が拝めるので、普通の観光スポットとしても寄る価値あり・・・かも?


 園崎家を後にし、道すがらの自販機で地域限定の白川茶など買いつつ、今度こそ長瀬家に・・・と思ってたのですが、ここで魔人がアニメ第2期のOPの最後に登場する橋を見つけたい!と力説なさったので、その気迫に気圧されて一緒に探すハメに。とは言え、何度も足を運んでるにも関わらず一向に見つけることが出来なかったらしく、不本意ながらネットで事前に場所を確認していたそうで、程なくしてその場所に辿り着けまして。

蛇足ですが、今回の度で魔人から真っ先に確認されたのが「今日って僕が案内しちゃって良いんですか?自力で探さなくても大丈夫なんですか?」ってコトでした。なんでも魔人はこの日紹介してくれたスポットの数々を、何度も足しげく通った末全て自力で発見したそうで・・・。「やっぱ聖地巡礼の醍醐味は自力で数々のスポットを発見することでしょう!」とのたまってくださいましたが・・・ワタクシ、初手から案内してもらう気マンマンでしたんで、魔人に速攻その旨を伝えたところ「・・・そうですか」と一抹の寂しさを禁じえないテンションで答えてくれた姿が妙に印象に残っております。本気の人は凄ぇなw。それはさておき件の橋なんですが、梨花ちゃまハウス等があった奥まった道とメインストリートとの狭間に位置しており、観光目当てで来てたらまず足を踏み入れないであろうってな場所でした。念願の場所を発見した魔人の喜びようたるや推して知るべし。そこから長瀬家が近かったので、今度こそ長瀬家に入り各種拷問機具*2などを愛でたのですが、ここの2階の屋根がレナと圭一が闘った小学校の屋根だとは思わなんだ・・・。次の機会にはちゃんとチェックしよう。


 ここで流石に疲れたので一服しましょうってなコトになりまして、適当な喫茶店に入り小休止。往年のゲーセンばりにノートが設置されてましたが、その店は「ひぐらし」ファンとは無縁だったようで、それっぽい書き込みは皆無。微妙に物足らない気分になってしまったのはなんでなんだぜw?若干の水分を補給し終えたところで駐車場のある橋向こうに戻り、まだ発見してないしあたりもつけてないという水車小屋を探すべく散策再開。とりあえず一番目を惹く合掌造り民家園=園崎庭園に足を運んでみたところ、あっさり発見w。

でも、この水車小屋は水車としての機能が完全に失われていたのが口惜しい。その代わりと言ってはなんですが、この庭園は足を運ぶ人の姿少ないので入館出来る施設っつーか民家は貸切状態だし、青々とした緑を満喫出来るしで、真っ当な観光スポットとしては宜しいのではないかと。入口付近にある資料館っぽいトコでは極悪な鋸の刃とかも拝めるしねw。


 てなカンジでゆるりと庭園を満喫したところで、ここでの聖地巡礼はほぼ打ち止め。残るスポットはここからかなり離れてるので、帰途のついでに寄るコトにしまして、コンビニで軽くメシを食ってから引き上げるコトに。その道すがら、足を運び損ねてた入江診療所もしっかりチェック。

まぁここは普通に診療所として機能してるので、車内から軽く眺めた程度でしたが、印象的な舞台の一つなんで感慨深し。感慨に耽りつつも食うものは食い*3雛見沢を後に。


 帰りは行きのルートとは別で下道=一般道を使うルートをチョイス。典型的な地方のワインディングロードってカンジで、個人的にはフジロックの会場に至る道を思い起こしまして。山間部の風景が結構似てると思うのだが、如何?ともあれ、そんな風景を愛でていると、遠方に巨大な石壁が見えてきまして。その圧倒的なスケール間に呆然としてると、魔人が「あれが御母衣ダムですよ」と教えてくださいまして。遠くから見ても壮絶でしたが、その全貌が明らかになる地点まで来ると、ただただ絶句。便宜上「全貌」と表現しましたが、実際には貯水池のスケールがデカすぎて全貌なぞ拝めません。

これが自然に出来た湖ではなく人工的に作り上げた貯水池であるという事実が信じられない・・・。つーか、水深が65メートルて・・・。魔人が「これが決壊したら雛見沢なんて一発ですよ」とのたまっていたのも頷ける。こういうのを「圧巻」と言うのだな。


 そんなスポットを経て、途中若干の渋滞に巻き込まれつつも着いた先が、雛見沢分校と吊り橋のある場所。分校は一目見た瞬間にそれと分かる佇まいで、感激。

なんでも、結構な頻度で悟史くんの金属バットが置かれてるそうなのですが、この日は見つからず。そんなギミックなど無くとも十二分にemoい風景が堪能出来ますが、かなり老朽化が進んでいるのでいつ解体されてもおかしくない雰囲気。幻の風景と化してしまう前に巡礼しとくべし。で、旅の最後を締め括るのは吊り橋行脚でございますよ。

ワタクシ、前回の日記でも綴りましたが、どこに出しても恥ずかしいレベルの高所恐怖所でして、お台場の観覧車に乗るために上る鉄階段でさえ怖さのあまり足が竦んでしまうという重症っぷり。そんなワタクシが結構な高さを誇る吊り橋など渡れるはずもなく、遠巻きに眺めながら巡礼を済ませてしまおう・・・と弱腰な姿勢でいたのですが、思いのほか楽しかった巡礼の記憶が走馬灯の如く脳裏を過ぎり、つい「成功しても失敗しても日記のネタにはなるか」というさもしい芸人魂がムクムクと鎌首をもたげてしまったので、つい出来心で一歩足を踏み出してしまったのです・・・。


 高所恐怖症の思考って人それぞれだとは思うのですが、ワタクシの場合は持ち前の妄想力が強烈に発動してしまうのが厄介でして、視覚的な恐怖は勿論のこと、「今ここで後ろから押されたら・・・*4」とか「うっかりバランスを崩して足を踏み外したら・・・*5」といった具合に尽きせぬ被害妄想に苛まれまくるパターン。故に、極力視覚情報を減らして妄想の余地を無くすスタイルで挑んでみました。即ち、通路の中央に位置し、目線は足元の鉄板の模様に固定。脇目もふらず、ただただ一歩ずつ歩を進めていくのみ。妄想はおろか思考すらも遮断して、歩くマッスゥイーンと化してみたり。ここまで徹底したもんで、一応序盤こそ軽口の一つも叩いたり、膝元辺りにデジカメを固定してとにかくシャッターだけは切って無理から写真を撮ってみたりしていたのですが、程なくして上の空で相槌をうつだけになってしまい、橋の中央部に差し掛かる頃には一言も口をきけなくなってるどころか心の臓が変拍子を刻みまくり呼吸すら若干困難な状態に陥ってしまい、己がさもしい芸人魂を一心に呪いながらなけなしの気力を振り絞って小刻みに歩を進め、ほうほうの体でなんとか向こう岸に渡ることに成功。その地点にもなにがしかネタがあったようで魔人が説明してくれてたのですが、ビタイチ脳に入ってきませんでしたw。帰りは素直に魔人にデジカメを託し、初手から行き以上に集中して無心になるよう心がけていたのですが、ワタクシの先を行く魔人が悠長に写真など撮ったりしているので、その歩みは亀の如し。ワタクシが頼んで撮ってもらってたにも関わらず軽く魔人を呪いそうになってしまったのは、ココだけのヒミツだw。ともあれ、なんとか無事にスタート地点に帰りつくことが出来まして、安堵のため息を漏らすワタクシ。正直、ただ「渡った」だけで感慨なぞ皆無に等しいのですが、頑張った自分を褒めてあげたい今日この頃w。

 こうして、雛見沢ツアーは幕を閉じたのでした。以降は、小休止を入れつつ名古屋を目指して移動移動。道中、懐かしのDogpissを聴きながらSnuff絡みの話で盛り上がったり、松本ドリル研究所について熱く語り合ったり、Terrorizerを聴きながら、いかにPete Sandovalのブラストが凄まじいかというレクチャーを受けたりしてたら、あっという間に名古屋に帰還。そして、旅を締め括るべくおもむろにメロンブックスに赴き、物色開始。ワタクシは道中聴かせてもらった岸田教団のアルバム等を購入。魔人はワタクシが薦める作品を無条件に購入する傾向があるので、厳選した作品を薦める。そうこうしてるうちに仕事を終えたO氏がいらっしゃってくれたので、ご挨拶。諸般の事情で普段はあまり絡まないようにしてるのですが、今回は完全プライベートだったので安心してダメな会話を堪能w。結局3人揃って色々お買い上げ。ワタクシは一足お先に買い物を済ませ入口付近で皆の精算を待っていたのですが、ふと店内に目をやるとギターケースを背負ってCompleted ExpositionのTシャツを着た青年の姿が目に留まりまして、ちとビックリ。絶対関係者だろうと思い魔人に訊いてみたところ、やはりそのスジの方でしたw。世間は狭いなぁ。ちなみに同時刻、近所のらしんばんには別のバンドのメンバーもいたとかw。


 メロンで物欲を満たした後は、味仙という店で名古屋名物台湾ラーメンをいただきまして。台湾ラーメンの存在は全然知らなかったのですが、名古屋では極めてポピュラーなメニューとのこと。件の味仙という店は、正しく「大衆食堂」といった風情で、やたら広く活気づいてるフロアはほぼ満席で賑々しいったらありゃしない。暫し待った後に席に着き、程なくして台湾ラーメンが登場。醤油ラーメンの上に唐辛子やもやし、ニラなどと一緒に炒めた挽肉がトッピングされてまして、乱暴に言ってしまえばゴマ風味を除いた担担麺ってカンジかしら。ちとしょっぱかったけどなかなかの美味。でも、如何せん量が少なすぎた・・・。しゃーないので堅焼きそばを追加で注文してみたり。食後は騒がしい店を後にし、時間潰しも兼ねて駅の喫茶店で談笑に興じた後、お二方に見送られながら名古屋を後にしたのでした。


 日帰りの強行スケジュールだったけど、魔人の案内のおかげで移動のリスが全く無かったので、要所を押さえつつもじっくり回ることが出来たので御満悦。魔人にはおんぶにだっこで終始甘えっぱなしでしたが、この借りは来月返すっつーコトで。ともあれ、聖地巡礼という要素を差っ引いても、白川郷は観光地として非常に素敵なトコでした。惜しむらくは、ひぐらしの鳴き声が聴けたらなぁ、とw。

*1:実際には「和田家」

*2:実際には農作業用の機具

*3:風情もへったくれも不要って方は、ココで飲食物を買うのがベター

*4:勿論、背後には誰もいません

*5:言うほど不安定じゃないし、橋の真ん中にいる限り足の踏み外しようはありません