6/7 "EYE's≒合図 vol.3 Spy Master『A Lost Bird e.p.』 Release Party!"@秋葉原Studio Revole / Eyesore / Diet Cheat / Who $hit / Cheap Skate / Encroached / Spy Master
土曜は秋葉原でライブを観て来まして。
東京だけでも素敵な企画がかぶりまくってた日ではありましたが、ワタクシはSpy Masterのレコ発をチョイス。遅い昼食というか早い夕食というかってカンジで、とにかくメシを食べたかったので、ちと早めに秋葉原に赴き、ちょろっと買い物をしてからシディークでカレーでも・・・と考えていたのですが、何故か唐突にとろろが食べたくなってしまったので、シディーク手前のねぎしに吸い寄せられてしまい、気がつけば麦飯を3杯ほど大盛りでおかわりし、〆のとろろをかっこんでる有様。とりあえず、おかわり自由の店にも関わらずオーダーの段階から「大盛りでお願いします」と言ってしまう自分に絶望した。
腹八分となったところで店を後にしたのですが、会場であるRevoleに向かうには、ちと早い。しゃーないので、紙風船でエロゲを物色しつつ時間を潰すという非生産的極まる行動に打って出る。別段欲しいエロゲがあるわけでも無かったので、ワゴンセール品とかをつらつら眺めておったのですが、「君が望む永遠」のCD-ROM版
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で、開演。Diet Cheatは、相も変らぬ屈折HCで飛ばす飛ばす。序盤こそギターの出音が小さくて(この日は総じて音が小さめだった。ハコ的な問題だったのかしら?)イマイチでしたが、途中から出音のバランスも整い良いカンジ。叙情性のジョの字も感じられないドライ極まる荒涼としたサウンドはvelocityutや石頭地蔵、Gnaw Noseら九州のNo Wave系HCと一聴すると通ずるものがあるように思うけど、実際にはSST Recordsに代表されるUSアンダーグラウンド・サウンドを90年代以降のHCで味付けしたサウンドってカンジかしら。似て非なる音な気がする。以前よりも緩急がつき一層奇天烈さが増した印象。個人的にはオシャレ感ゼロっつーかマイナスな佇まいも激しく高ポイント。
Who $hitは、ワタゾウさんが言葉を意識して歌ってたせいか、今までになく歌詞がはっきり聴き取れてたのが新鮮で新鮮で。今更ながら日本語詞で歌ってたいう事実を再認識した次第。先日のArms Waltzのライブでも感じたんだけど、HCのテンションを保ちつつも、きちんと歌詞が聴き取れる口調で歌うvoxがいる日本語詞のHCバンドって物凄くカッコ良いよね。やはり母国語なだけに言葉の意味がふとした瞬間にすっと脳に入ってくる感覚が実に心地よいのです。とは言え、言語化し難い感情が零れ落ちるような魂の咆哮も勿論大好きだし、意味がダイレクトに伝わらないが故に言葉の響きを純粋に楽しめる母国語以外の言語も好きだし、普段も歌詞に重きをおいて聴いてるワケではないんだけど、歌詞=言葉はvoxにとって大きな武器であるので、それをいかに有効に活用するかを考えることは大事なことなんじゃないか・・・と、Who $hitを観ながら漠然と考えちゃったり。
個人的にこの日ベストだったのは、Cheap Skate。2年前に小岩で観て以来久しぶりに観れたのですが*1、やはり素敵すぎ。まだUSHCがアメハーと呼ばれてた時代の匂いがプンプン漂う佇まいから繰り出されるサウンドは、現行のUSHCとは明らかに一線を画しているアメハー・サウンドで、年寄りの琴線を刺激しまくり。一曲に余り多くの要素を詰め込まないシンプルな楽曲はメンバーをして「完成度が低い」と言わしめているけど、これくらい隙があったほうが愛嬌があるっつーかw。何より、バンドのファニーなテイストと隙のある楽曲との相性がバッチリなんで、これはこれで好し。そういった曲をちょくちょく Fastcore一歩手前な速度でブっぱなしちゃうトコに現行バンドとしての味付けが感じられるワケで、ただの懐古主義なバンドではないコトをマスにアピール。ステージが進むに従って目に見えてメンバーが疲弊していくのがたまらなく面白いのですが、そのヘバりっぷりが音には反映されてなかったのは意地の賜物か。垢抜けないスラムダンスやポーズが今ひとつキマってないジャンプといったアクションの三枚目っぷりも眩く、一から十までセンス抜群で超最高でございましたよ。こういうナチュラルにファニーなテイストを醸し出せるバンドって、ホントカッコ良いなぁ。Fido's Brunchが復活したら、splitとか出して欲しいわ。
Encroachedは、この日のラインナップの中では一番毛色が違うバンドでしたが、そんなことはお構いなしにヒリヒリしたHCサウンドを叩きつけてくれました。事実上バンドとしてのフォーマットは既に完成してるんだけど、曲の繋ぎ方や並べ方などを観る度に細かく調整してきてるトコに、安定を好しとしないバンドの心意気が垣間見れて嬉しくなる。今回は、個人的に気に入ってるミッドな曲からの繋ぎを変えたところに耳を惹かれましたね。惜しむらくは、序盤ちょっとおとなしめだったのが悔やまれるか。
トリのSpyも、序盤はちと端整気味。ここ何回かのライブが比較的同様の傾向にあったので*2、今回も完成度重視かと思って観てたのですが、途中ある出来事が起こり、以降テンションが俄然上がりましてフロアもそれに呼応して良いカンジに。個人的には、ここ何回かの Spyのライブは今ひとつ盛り上がれなかったんだけど、この日のSpyは久しぶりに文句無くカッコ良かったので、写真を撮るだけ撮ってからモッシュに興じちゃったりもしたワケで。
件の「出来事」に関しては、なんとも言えない。ライブは思い思いの方法で楽しめば良いという気持ちもあるけど、郷に入っては郷に従え、という意見も分かる。自分の考えや姿勢を貫き通すやり方もあれば、相手の姿勢を受け入れた上で切り替えしてみせる方法もある。こういうコトって年代や主戦場だったシーンなんかによってかなり思想やマナーにズレがあるから、杓子定規には推し量れないんだよね。ただ、願わくば排他的な思考へは向かわないで欲しい。シーンの違いこそあれ、世間的にはマイノリティな世界の住人なんだから、そんな狭い世界で排斥しあうっていうのは哀しい。話せばきっと認め合える、分かり合える部分はあると思うから、そういった部分に目を向け、互いに敬意を払い共闘しあっていくほうが健全だし前向きなんじゃなかろうか。甘っちょろくて青臭い理想論と一笑に付されるかもしれないけど、間違ってるとは思わないし、少なくとも俺はそういう思想の下にいる。
てなカンジで、とても楽しかった反面、色々と考えさせられる事の多いライブでした。