6/3 "鬼畜寄席ジャパンプレミア"@野方区民ホール

 水曜は野方でお笑いを観てきまして。


 いつものように新宿でudさんと待ち合わせ、メシを食ってから西武新宿線で移動。15分ちょっと揺られ、会場である野方区民ホールの最寄り駅である野方で下車。会場近くの100円ショップで飲み物を購入し、入場。フロアに入ると、約250席あるホールの半分近くが既に埋まっており、ちとビックリ。中野の民家でひっそり開催されてる「苦肉祭」とほぼ一緒な出演陣なんだけど、動員は倍どころか3倍は違う。これはつまり、鬼畜寄席にのみ出演している鳥肌実の集客力による差ということなのだろうか。ともあれ、適当な席に陣取り開演を待つ。フロアをざっと見渡してみると意外にも女性比率が高く、苦肉祭じゃなくて東洋・太平洋な雰囲気で、なかなか華やか。などと妙な感心をしてる間に開演時間となったのですが、前回同様グダグダ進行だったので、15分近く押してから開演。


 先陣を切ったのは意外にも飯塚俊太郎。お馴染みの冷蔵庫マンに扮しておらず、ピンクパンサー風なピンクの全身タイツを着用しての登場だったのですが、ネタのほうもピンク=桃色にちなんだド直球下ネタ路線で勝負・・・したまでは良かったものの、身振り手振りを交えた上に淫語満載でお届けしたため、結構フロアはドン引きw。結局、僅か2分たらずで風のように去っていくという体たらくで、何がなんだか。続いて登場したのは、事前のフライヤーには名前が載ってなかったチャンス大城。のっけから任○堂をネタにしたコントを炸裂させ観客の度肝を抜いたところで、相も変らぬ先が全く読めないプログレッシブな展開に雪崩れ込みんだのですが、舞台もフロアもいつもよか広いせいもあってか、通常のネタよか動きの多いネタに挑んでた印象。フロアを疾走する姿が眩かったw。


 3番手は、今回の企画の裏の目玉と言っても過言ではない、アングラ演歌歌手のみどり・みき。HPを見ただけで只者ではないことが窺い知れたのですが、ナマの破壊力はHPの比ではありませんでした。一応音源も出してるしカラオケにも入ってるくらいなんで素人ではないんですが、音程はともかく歌唱法が結構味わい深い。演歌歌手の命たる「こぶし」が「口頭ディレイ」といったほうがしっくりくるような歌いまわしだったり、歌の強弱が極端すぎてコントみたいだったり、客席からの声援へのリアクションがタラちゃんばりのハイトーン・ヴォイスだったり、ってな具合でしてツッコミどころ多すぎw。終始にこやかな笑顔だったのもおっかねぇw。楽曲に関しては、まぁティピカルな演歌っちゃ演歌なんだけど、意外と曲の展開が雑だったりするんで妙な味わいを醸し出していたような。ぞれと、1曲だけ歌詞が英語の曲*1があったんですが、それが壮絶極まりない内容で凄まじかった。英語っつっても単語を繋ぎあわせたかのような雑な歌詞な上に発音が思いっきりカタカナ英語だったんで今ひとつ頭まに入ってこなかったのですが、間違いなく「パラシュート」という単語が含まれてまして、思わず我が耳を疑った。多分、演歌の歌詞としては相当レアな単語じゃなかろうかw。


 色んな意味で「異端」としか言いようのない恐るべき存在感に震撼した次第。一見の価値あり。多分。


 この日最高に笑かせてくれたのは、活弁士の坂本頼光。この方は既存の映像の他に自身で作ったオリジナルの映像なんかも用いたりするのですが、この日のネタは、坂本頼光の名を一部ネット界隈に知らしめた「サザザさん」。タイトルで察した方もいらっしゃいましょうが、某国民的お茶の間アニメのパロディです。同人とかではありがちなネタですが、実際にアニメ化させて活弁士のスキルをフル活用してリアルタイムでアテレコを入れていく、という高等芸能を披露。まず、誰もが驚くでしょうが、アニメの出来が普通に良い。口パクのタイミングのような細かい部分のツッコミを入れようと思えば入れられるだろうけど、そんな瑣末なトコくらいしか違和感を覚えないんじゃなかろうか。お茶の間アニメとはいえ、個人製作のレベルを超えてます。キャラのデフォルメの効かせかたも実に素敵に毒が効いておりまして、キャラ表をじっくり拝みたくなるようなカンジw。そんなレベルの高い作画で、それはそれはもう黒いネタを平然とカマしてくるわけですから、観てる側は為す術も無く、ただただ笑うのみ。今回の話は、ヒ○ポン中毒=シ○ブ中の○平の手持ちのシ○ブが誰かに盗まれて・・・ってなお話。酷いにも程がある。劇中にはタマも含むイ○ノ家面々の他にノ○スケさんやイサ○カさんといった相当数のキャラが登場してるのですが、きちんと愛情と毒をこめつつキャラを演じ分けてみせる坂本頼光のスキルの高さには唸らされます。気がつくと普通にアニメの世界に引きずり込まれてたからなぁ。ホイホイ作れるネタじゃないだろうけど、年1くらいのペースでいいからこのシリーズの新作作って欲しいなぁ。これぞ「芸」。素晴らしかったです。


 トップで登場してダダスベった飯塚俊太郎は、トリに冷蔵庫マンとして再登場。渾身の冷蔵庫ジョークのスベりっぷりは冒頭で炸裂させた下ネタの比ではなく、清々しいまでの自爆っぷりで眩かったです。


 結局、終演は21時半過ぎ。ちょうど時同じくしてLemmyがスタジオに入ってまして、間に合えば顔を出すよ的な約束をしておったのですが、電車のタイミングが悪く、新宿に着いたのが22時過ぎ。スタジオは22時15分までだったので、どう急いでも間にあうはずもなかったのですが、一応顔だけは出そうと思い一路スタジオへ。案の定Lemmyの面々とはスタジオのロビーで出会うことになってしまいました。無念。しゃーないので、遊びに来てたele君やtk君、Lemmy一行と共にウェンディーズで閉店間際までダラダラとくっちゃべってから帰路に着いたのでした。

*1:外人のカヴァーとかじゃなくて、オリジナルの持ち歌。勿論演歌