5/29 "苦肉祭 54"@中野ハルコロホール

 木曜は中野でお笑いを観てきまして。


 普段ならレコミンツのワゴンを掘るべく早めに出かけるところですが、あんまそういう気分にならなかったので、いつもよかおっとりがたなで家を出まして、17時半過ぎに新宿着。言うまでも無くまずはとらに向かい、サンクリのカタログや西川魯介の新刊などあれこれ購入したところ、何故か万券が吹っ飛ぶ事態に発展。何故だ。微妙に軽くなった財布を憂いつつ、いつものように豚珍館・・・ではなく、ソフマップの近くに移転して新装開店と相成ったゴーゴーカレーに行ってみたり。基本的におかわりが出来ないメシ屋は極力避けたいのですがw、件の店はオープニングセールと称して6/5までは一部大盛りメニューを除いた全品が¥500均一という情報を入手したので、この機を逃すとなかなか食べに行くこともないだろうからっつーコトで足を運んでみたワケで。


 ロースカツカレーのビジネスクラスの食券を購入し、入店。店内はカウンター席のみで、奥に長く伸びてる構造。店内はそこそこ混みあっており、店員の威勢の良さも相まって、なかなか活気付いてる印象。適当な席に座り、食券を提示してしばし待機。手持ち無沙汰なんで、ぼんやりと設置されてるモニターに目をやると、なにやら大食い大会風味な番組の映像が。まぁ夕方の報道番組とかでそういう特集をたまにやってたりするんで、さして気にも留めてなかったのですが、そのモニターとは別の方角から「ゴーゴーカレーの社長さんにお話を伺ってみたいと思います」的なアナウンスが聞こえてきたので、ちとビックリ。どうも店内の映像は自社絡みの映像をピックアップして流してる模様で、そのラッパーばりなself boastっぷりに唖然呆然。自社CMとかならまだ分かるけど、社長にインタビューを店内で流す店ってあんま無いんじゃなかろうかw。それと、時々 NYYの松井の応援歌が流れるんで、その度に吹きそうになるぞ。


 ちなみに、味のほうは濃厚なんだけどスパイス控えめなマイルド路線。なんつーか、ビーフシチューとカレーを足して2で割ったようなカンジで、「カレー食ってる!」という実感は薄め。でも、これはこれで美味しくはあるので、オープニングセールの一環として貰ったトッピング無料券を消費すべく、セール期間中にもう一回くらいは足を運ぼうかと。


 食事を済ませる頃には時刻は18時を過ぎており、慌てて中央線快速に飛び乗って一路中野へ。なんとかudさんを待たせずに合流することが出来たので、そぼ降る雨の中、会場であるハルコロホールへ向かう。苦肉祭が雑誌で取り上げられたせいか、いつもよか開場待ちの客が多かったのですが、幸いにも普段陣取ってる場所を確保することが出来たし、来月開催される漫才バカ一代の前売りも確保出来たしで、ほっと胸を撫で下ろす。


 で、開演。のっけから三平×2が登場したのでビックリしたのですが、そのネタを目の当たりにして、更に驚かされる。やにわに携帯電話を取り出したかと思ったら、なんと会場近くのヘルスに予約の電話を入れだしましてw。最初はネタかと思ってたのですが、財布とにらめっこしながら「60分じゃなくて 50分コースで・・・」と言い出す段になったところで、どうもマジらしい・・・という空気をフロアが察知。結局20時からの予約を入れたところで電話を切り、これからヘルスに行って来て、その模様を後半披露する、と高らかに宣言し去っていったのでした。どんだけ身を削れば気が済むんだw。


 ここんとこ何かが吹っ切れたかのように弾けてるガスあくつは、今回も健闘。「オレあるある」という、文字通り自身のあるあるネタを披露するというネタで勝負してきたのですが、肝心のネタはともかく、それを危ういながらも自信満々の体を保ってやりきる姿勢や妙な間といった部分が味わい深い面白味を醸し出していて、なかなか良いカンジでした。ただ、最近好んで使ってる「地雷のような破壊力〜」というブリッジは、瞬間メタルの「男のコント」というブリッジを思いっきり彷彿とさせるので、再考の余地あるなんじゃないかしら。パクリとか言われる可能性あると思うし。セクシー川田は、相も変わらず「あぶない刑事」の柴田恭平をネタにした芸を披露。まぁ芸名の由来がセクシー大下なんで、それをネタにし続けるのはある意味必然なんだろうけど、たまには違うネタを観てみたいと思うのが人情。とは言え、大枠は一緒でも中の小ネタは毎回それなりに趣向を凝らしているので、何度も観てるうちに段々面白いと思えるようになってきちゃってるのが微妙に悔しいw。


 見た目が邦彦は、毎度お馴染みの100円ショップで売ってる手品グッズを使った手品ネタで大失敗した後に、ラジコンを使ったネタを披露したのですが、これが期待を裏切らないグダグダっぷりで最高。穿いてた海パンとラジコンを紐で結びつけ、ラジコンを操作して海パンを脱ぐってな寸法だったのですが、そこらで売ってるラジコンにそんなパワーがあるはずもなく、当然失敗。すると、自らの手でちょっとずつ海パンをずらしていくという本末転倒な暴挙にうって出まして、ちょっとナニが顔を覗かせるくらいの位置までずらすことに成功。ナニの頭が顔を覗かせる中、仰向けになってラジコンを操作する見た目がの姿は、筆舌に尽くし難い妙味を醸し出しておりました。ヤイビーン比嘉は、ランニング&白ブリーフ&猫ミミ・カチューシャという最近のデフォの姿で登場し、秋葉原のオススメ・スポットなどについて滔々と語っていたのですが、テンションは高いし声もデカいんだけど活舌が悪く早口なのでw、芸人がネタをやってるというよりはキモオタの独り言を観させられているかの如き印象で、実際終盤にはネタでもなんでもなく、某メイド喫茶のシステムに対する不満や客に対する憤りを吐露するだけになってまして、フロアはドン引き。そんな空気を遅まきながら察したヤイビーン比嘉は、起死回生とばかりに

を振り付け交えて熱唱したのですが、さらに傷口を広げただけで、逃げるように去っていったのでした。やっぱ、ガチのオタクがオタクをネタにするのは無理があると思う。ガチオタだけが有するキモさは隠しようがないんだもの・・・w。かたや朝日新聞の一面に掲載される沖縄の有名人、こなた東京の片隅でパっとしないピン芸を披露する無名芸人。ぽってかすーの明日はどっちだ。


 BBゴローは、前回に引き続き歌ネタ。今回はギターを持ち込んで本格的にやってくれたのですが、「ギターには多少覚えがある」という言葉に違わぬ小気味良いギター・ワークと味わい深い歌声を聴かせてくれました。アンコール気味に急遽やった曲は恐らくオリジナルな上、笑いの要素一切無しという普通のコンサート風味なコトになっちゃってましたがw、普通に良い曲だったんで聴いてる時は何の疑問も持たずに耳を傾けちゃってたワケで。しかし歌上手いし良い曲書くなぁ。2回連続出場となった西麻布ヒルズ櫻井市長は、今回も淡々と酷い実話下ネタを暴露。つーか、この日の舞台にも立ってる芸人も含んだ7P話ってどうよw?せめてもの救いは輪姦じゃなかったってコトぐらいなんですが、それでも女芸人も交えた7P話は引くわw。そんな7P話の後がヘルス帰りの三平×2の出番だったのは不幸としか言いようがない。櫻井市長以上にインパクトのある経験など出来るはずもなくw、ヘルスの話は空振りに終わり、過去の風俗話を持ち出してなんとか〆てました。

 
 かなりご無沙汰となっていた元気いいぞうは変わらぬ歌声を聴かせてくれたのですが、以前よりも微妙にキレたテイストにシフトしてたのが意外。アコギをかき鳴らしながら黒い歌詞をキレたテンションで歌い上げる様は、ある意味服部繁人に通ずるものがあるようなw。やっぱ歌モノの芸人さんは華があるので、またレギュラーで出て欲しい芸人さんですね。そのうちBBゴローとのコラボも観てみたい。大本営八俵は、一部で話題となった映画「靖国」を大音声にて大批判。その様を目の当たりにして思わず

激昂たれ!

激昂たれ!

という言葉が脳裏を過ぎったのは、恐らくあの場ではワタクシだけだったかとw。激昂しつつも、辛うじてお笑いという意識が残っていたようで、ちょこちょこ笑いのネタを差し込んでくれたり、思想的な批判ではなく表現者としての姿勢についての批判だったので、ちょっと感心しつつ楽しんじゃったり。やっぱ大本営八俵は芯からキレてナンボだなぁ、と再認識した次第。トリの殿方充も、久しぶりに本領発揮。つい最近亡くなった方の降霊ネタという不謹慎極まるネタではあったのですが、薄氷を踏むかの如き繊細さで最低限の節度を保ちつつも弄り倒すという持ち味のバランス感覚を如何なく発揮したネタをじっくり演じてくれたので大満足。ここ数回は過激で直截的な単語を連発するだけで深みに欠ける雑な下ネタが目立ってたんですが、今回は深みと奥行きが感じられ御満悦。


 結局終演が22時50分近くになるという、ド平日としては異例なまでに遅い時間になってしまいましたが、久しぶりに平均点の高いネタを多数拝めたので、無問題。楽しかったわー。