1/29 "苦肉祭50〜小粋な修羅場でつもり貯金〜"@中野ハルコロホール

 火曜は中野にお笑いを観に行ってきまして。
 昨年末の苦肉祭は冬コミ期間中というコトで断念したので、ほぼ2ヶ月ぶりの中野入り。つーワケで、レコミンツのワゴンをがっつり掘るべく、17時ちょい過ぎに中野に赴き、わき目もふらずブロードウェイに直行し、まずは3号店のワゴンに食いつく。3号店はメタル館なんだけど、ワゴンセールの品揃えにはビタイチ関係無しw。Ram Riderがあったのも、ここのワゴンだし。じっくりと視姦した結果、Mr.Bungleの3rdやAshの4th、Pearl Jamの3rd、カヒミ・カリィのミニアルバムとかを中心に10枚弱チョイス。
 続いて1号店〜2号店前のワゴンに移行。ここで目立ってたのは、BlurCharlatans。不憫に思えるくらいアルバムが大量に放出されてたので、両バンド各3枚ずつ確保。つーか、Charlatansは3rdから8thまでをレコミンツのワゴンで揃えてしまったw。他にもThe TheJayhawksRembrandtsLuscious Jacksonのラスト・アルバム、Sublime Recordsのリミックス・コンピとかを計20枚ほど確保し、ご満悦。
 買い物を済ませたところで夕食を済ませたudさんと合流し、ちと早めに会場であるハルコロホールへ。この日は苦肉祭開催50回というメモリアルな日だったのですが、苦肉祭のレギュラー陣も関わっている西口プロレスの興行とバッティングしてしまってたので、そちらに客が若干流れてしまったらしく、開場前に並ぶ熱心な好事家の姿は少なく、労せずして入場&席確保。でも、最終的にはほぼ満席になったので、苦肉祭人気の底力を垣間見た思い。
 で、開演。普段は即、ネタが始まるのですが、この日はのっけから主宰の居島一平が飛び出してきまして、本日の出演陣の欠席率の高さとその理由をフライヤー片手に逆ギレ気味に語りだしたのですが、これがとんだ茶番でして。苦肉祭のフライヤーに載ってる芸人名って実在する=本当に出演する芸人の名に混じって、明らかにネタと思しき架空の芸人の名なんかも織り込まれてたりすることがままあるのですが、今回は初手から西口とバッティングすることが分かってたため、いつにも増して架空芸人の名が列挙されてたワケで。
 ここまで書くとピンときた方もいらっしゃるでしょうが、居島氏が欠席者として挙げた名前が、ことごとく実在しない芸人ばっかだったワケでw。勿論、実在してないだけに欠席の理由も字として記すのが憚られるような酷い内容ばっか。一部芸名を記しておくので、欠席理由はお察しください。

  • OH!理恵
  • 翁めぐみ(88歳)
  • 犬鍋煮留吉

 フライヤーには7人の架空芸人が載ってたのですが、ご丁寧にも7人全員理由を述べまして。その様を目の当たりにした客の全員が「あぁ、今日は本当に出演者が少ないんだな・・・」と察したはず。実際、多いときには20組以上出演することもある出演陣が、この日は14組しか登場せず。でも、中身はなかなか濃かった。
 序盤だと、珍しく下ネタに走ったガスあくつが新鮮だったし、ヤイビーン比嘉のグダグダすぎる茶番寸劇風コントが生み出すほろ苦い笑いも良い味出してましたが、やっぱうかれ小島が光ってた。以前は一回にネタを2〜3本仕込んできて、ウケなかったらさっさと次のネタに移行するってスタイルだったんですが、最近は鉄板とも言える「オナニー・オチ」に活路を見出し、それ一本で攻めてくるのが定番。この日もご多分に漏れず、そういうネタで勝負。なんせ「名探偵オナン」って体のネタなんだから、推して知るべし。最終的にオナニーするって分かっているにも関わらずっつーか分かっているが故に、そのシークエンスが始る始まる直前から否応無しに笑いがこみ上げてくるというw。でも、歯を食いしばり必死の形相でパンツに手を突っ込んで一心不乱に扱き続ける様を目の当たりにしてしまうと、そりゃー好事家なら誰でも笑うって。

 勿論、前半を〆たヘブリスギョン岩月も最高。前半は鬼畜寄席同様コントを披露。今回はお笑いコンテストの表彰式という体だったのですが、鬼畜寄席共々設定が「お笑い芸人」っていうトコにこだわりが垣間見える。後半は一転してフリーすぎるトーク。ネタも面白いけど、迷走しまくるトークも抜群に面白いのよね。終始テンション高いんだけど、時折顔を覗かせる弱気な部分が良いアクセントになってるっつーかw。あのほろ苦さは、若手には醸し出せないな。
 後半は、飛び入りで参加の猫ひろしからスタート。何度も書いてるけど、猫ひろしはTVよか現場で観るほうが圧倒的に面白い。ちょっとずつネタも改良を加えてるし、良い意味で真面目だなぁ、と。続くBBゴローは、お得意の稲川淳二のモノマネでのネタを執拗に繰り返した後、これまたフリー・トークへ。そこで披露した免許取り消しの話が秀逸。法廷での笑わざるをえないやりとりの数々や、この一件に深く関わっていたうつ八郎への愛憎入り混じったトーク等が冴えまくり。他にも、かねてより大ファンだった元広島の高橋慶彦と出会えたこととかを満面の笑みを浮かべながら披露してくれたりして*1、結構長い時間喋り倒したにも関わらず、ダレずに楽しめました。
 続くチャンス大城は、定番のネタで爆走。寸劇仕立てなんだけど、セリフや配役等の脈絡が全く無いんで普通なら違和感しか残らないところを、絶妙のテンポや間合い、そしてデリヴァリーのセンスで強引にコンボとして繋げていくという荒業は、見事としか言いようが無い。しかも、今回はそこにループのヴァースも仕込んできたので、いつものネタよかトリップ感が増してて、脳を直撃する面白さ。勿論ラストは投げっぱなしスタイルで完全粉砕。最高。
 お次の飯塚俊太郎は、いつもの冷蔵庫マン姿ではなく、この日は戦艦大和マンとして登場。とは言え、ネタはいつもと同様。「冷蔵庫ジョーク」を「大和ジョーク」に変え、ダジャレを言うたびに自らのダメージが蓄積していくという自爆路線。ちょこちょこ実年齢の47歳というフレーズを織り込んでくるんで、ほろ苦いったらありゃしないw。だが、それが好いのです。

 そして主宰の居島一平大本営八俵と化して二度目の登場。主宰が一番キレてるというのが苦肉祭の凄いところ。相も変らぬ大音声で危険発言を連発し、狭いフロアを駆け巡りのた打ち回るというネタを毎回毎回繰り広げてるのかと思うと、本当に頭が下がります。奔放すぎるにも程がある。でも、一見キレまくってるように見せつつも、きっちり緩急つけてくるあたりは流石。ま、初めて観ると終始ブチぎれてるような印象しか残らないと思うケド。

 トリは、殿方充。鬼畜寄席同様入れ歯ギミックを仕込んでの登場でしたが、今回は高○忠夫という体で、社保庁に年金の相談で訪れたという設定。職員に難癖をつけながら徐々に高○家の暗部を曝け出していくというエグいネタを披露してくれました。前回よりも若干セリフが聞き取り易くなったせもあってか、鬼畜寄席の時よか面白かったなぁ。
 結局、出演者数のわりには時間を食いまくり、22時前に終演。50回という節目の回にレギュラー陣が揃わないっていうのも苦肉祭らしくて良かったのかも。そんな感想を抱きつつ、udさんと共に帰路に着いたのでした。

*1:無論ただの自慢話ではなく、当時の高橋選手の広島内部での人間関係話なんかも織り込まれてましたw