1/23 "第296回 鬼畜寄席、たちずさんで"@野方区民ホール / 大塚千太郎 / チャンス大城 / ヘブリスギョン岩月 / 山田広野 / 大本営八俵 / 殿方充 / 鳥肌実

 昨日は、お笑いのライブを観てきましたよ。
 昨日行ったのは「鬼畜寄席」という企画。udさん曰く苦肉祭の母体となった企画だそうですが、主宰メンバーが抜けたりした関係で現在は事実上休止状態。代わって本来「外伝」扱いだった苦肉祭が毎月開催されるようになった・・・とのこと。開催場所は、野方区民ホール。・・・野方って何処?ってカンジなので検索してみると、中野だったり。でも、最寄り駅は西武新宿線野方駅。あたしゃ都下在住ですが、西武新宿線とは無縁な地域に住んでるので、同線に乗るのは十数年ぶり。最後に乗ったのは、当時拝島に住んでた友人の家に遊びに行った時じゃなかろうか。ともあれ、一緒に行くudさんも会場周辺の地域とは全く無縁だそうなので、新宿で合流して一緒に向かうコトに。
 折からの雪が雨に変わってから出かけたにも関わらず道の一部に融けかけの雪が残っており、時折よちよち歩きになりつつ駅に向かい、一路新宿へ。幸いダイヤに遅延等は無くさっくりと新宿に到着したので、待ち合わせ場所であるとらに直行し、暫しフロアを巡回。適当に見繕ってたところでudさんと会ったので、会計を済ませて店を後にし、近くのとんかつ屋で夕食を摂る。いつも結構混んでる店なのですが、時刻が17時台だったせいか意外と空いてたので珍しく相席無しでテーブル一卓を占拠し、もふもふとメシを喰らう。日曜が店休日なんでまだ連れてってない連中も多いんだけど、いずれ若き欠食児童たちを連れて行きたいと思う。絶対気に入ると思うし。
 がっつりとメシを喰らった後、ゆるゆると西武新宿駅まで移動し、鈍行に揺られながら野方を目指す。18時過ぎという時間帯にも関わらず、車内に立ってる人の姿は無し。鈍行だからっていうせいもあったのかもしれないけど、この空きっぷりは異常。自分が新宿勤務だったら、西武新宿線沿線に居を構えたいくらいっすよw。結局野方まで乗車率に変化は無く、微妙に寂寥感溢るるホームに降り立ち、前売りチケットに書かれている地図を頼りに会場を探す。
 なんとか迷わずに着いた会場は、地下2Fに位置してまして。既に開場時間を過ぎていたので、そそくさと階段下って受付を済ませフロアに入ると予想以上の設備&規模に面食らう。帰宅してから調べたんだけど、約250人くらい収容出来る規模だったそうで・・・。外伝たる苦肉祭が民家の1Fで開催されてるから、てっきりショボめな規模かと思ってたのすが・・・。更に意外だったのが、客足。なんか結構入ってたのよね。少なく見積もっても100以上の集客。苦肉祭の客層とも微妙に違うんで、誰目当て来てるのか全く読めなかったのですが、恐らくはシークレット・ゲスト目当てだったのではないかと。どうでもいいですが、客席にはしんじインタレスティングタケシの姿もありました。しんじの姿は客席じゃなくて舞台で見たいぞw。
 で、10分くらい押して開演。前説的な要素は皆無で、のっけからネタだったのですが、トップは事前にアナウンスの無かったシベリア超特急の千太郎。シベ超ってあんま苦肉祭に出演してないんで、ちと意外。しかも、千太郎は着物着用でエロ落語スタイルにチャレンジするという無謀な賭けに打って出ました。「まんじゅうこわい」を「ま○ここわい」に変換した如何ともし難い下ネタの顛末は書くまでも無いでしょう。
 続くチャンス大城は、己が過去を切り売りする漫談気味なスタイルを披露したのですが、こういうトーク主体のネタでも微妙に進行方向が定まらないっつーか不安定さが残るところが「らしい」っつーかw。いつものネタとは違う趣向でも充分面白かったので、ホントそろそろ単独ライブを敢行していただきたい。
 3番手のヘブリスギョン岩月は、「ちょっとこなれた中堅芸人」という体でのコントを披露。妙にリアルな楽屋での言動の数々や、微妙に出自を察することの出来る架空の芸人たちの設定なんかが良い味を醸しだしてました。こういうネタも面白いな。

 お次は活弁士の山田広野活弁士という職業のスキルをフルに活用し、自作のショート・ムービーや出自不明な昔の映像なんかにアテレコしていくというネタなのですが、これがなかなか面白い。映像のチョイスや編集、ハメる言葉の妙などが冴えており、手法の珍しさも相まって、一見の価値あるスタイルを確立しております。ちなみに、今回のオリジナルの作品には猫ひろしジジぶぅ三城晃子が出演しており、舞台にお江戸広小路亭なんかも登場してたので、先日のファンタジアの際に収録したコトがモロバレで、それもまた面白かったりw。
 落ち着いたトーンのネタから一転、続いて登場したのは「鬼畜寄席」主宰で唯一残ってる大本営八俵こと米粒写経の居島一平。こちらは苦肉祭で披露してるスタイルと寸分違わぬ明日無き暴走スタイルで突っ走りまくり。不穏当な発言を大音声で連発しながら舞台とフロアを縦横無尽に駆け巡る様は、ある清々しくすらある。漫才師として確かな腕を持っているにも関わらず、ピンになるとなんでこうなってしまうのかw。まぁその落差が素敵なんですがね。

 お次の殿方充は、○vexのMax○浦の体というネタを披露してくれたのですが、とある病に罹って衰弱しているという設定だったため入れ歯風味なギミックを口に仕込んでいたので、かなりネタが聴き取り辛かったのがマイナスw。喋りが命な芸風なんだから、そこに影響するようなギミックはちょっと・・・ねぇ?ネタが面白かっただけに、ちともどかしかったなぁ。
 ここでサプライズ・ゲストで、なんと鳥肌実が登場。萌肌実は好きだけど、本家のほうは全然興味が無くて「ハンドマイク片手にアジる人」ってイメージしか持ってなかったのですが、実物は全然違うカンジでして。最初こそビールケースの上に立ち、ポージングしながらネタっぽいことをやっていたのですが、途中でそのネタを止め、ボヤき系のスタイルにチェンジ。ウワサに聴く半島ネタや学会ネタなんかを語る時は多少活き活きとしているのですが、それ意外の時は妙にテンション低めで腰が低く、ネタを言おうとしては途中で止めてしまうという、ネタかどうか判別し難いスタイルでフロアを幻惑。それと、全然イメージに無かった下ネタをバンバン挿し込んできてたのが意外。しかも、後半はどんどん脱いでいくというこれまた意外な行動に打って出たので、なんかもう新鮮極まりない印象。普段もこういう芸風なのかしら?事前に抱いてたイメージとは全然違ってたけど、間違いなく面白かったのでOK。機会があれば、また観てみたい。

 トリを飾ったのは、冷蔵庫マン(a.k.a.飯塚俊太郎)。こちらはいつもどおりの冷蔵庫ジョークでフロアを凍てつかせては自虐的な笑みを浮かべるという自暴自棄スタイルで玉砕。「冷蔵庫ジョーク」という名が伊達ではない、失笑すら浮かばないレベルのダジャレを連発する姿は、まさに求道者のそれ。bittersweetというには余りにもほろ苦すぎる切ない笑いを味わいたかったら、一度は拝んでみるべき。味わい深いにも程がある。
 全体的に各自の持ち時間が眺めだったため、正直冗漫な感が否めなかったのは惜しかったけど、なかなか楽しゅうございました。終演後は特にダベらず、駅で別れて帰路に着いたのでした。