2007年の私的エロマンガ・ベスト5(順不同)

オモチャたちの吐息 (フランス書院X COMICS)

オモチャたちの吐息 (フランス書院X COMICS)

 今は亡き「パピポ」で掲載されていた兄妹相姦シリーズがメインな一冊。二次元ドリームが詰まった総受け体質の淫乱ょぅι゛ょ描写はハンパないクオリティ。随所に幼さ、あどけなさの残る言動を配しているところに「ょぅι゛ょ」に対する愛を感じずにはいられない。無論、キュートさと淫乱さのギャップを生じさせる意味もこめられているのだろうが。
 しかし、この作者はょぅι゛ょのみならず人妻や女教師などの年上モノもフォローしており、それはそれでまたエロいところも見逃せない。特に泣き顔に代表される煽情的な表情の数々が出色。何度か述べてる私的な見解ですが、「泣き顔を魅力的に描ける作家はエロい」を地で行ってる印象。無論、肢体の描写っぷりもナイス。
水着彼女 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

水着彼女 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

 言わずと知れたAskRayの中の人の処女単行本。同人で描いているふたなり要素は省き、基本カップルがイチャイチャしてエロエロってなパターンでオーソドックスと言えばオーソドックスで口当たりの良い作品が大半を占めているのですが、そういった話のテイストに反してエロ描写は濃厚の一語に尽きます。
 この人の魅力は、極めて肉感的な肢体描写に尽きるかと。乳や尻といった基本パーツのみならず、腹部や腰周り、腿、腋といった細部に至るまでこだわりの感じられる描き方が為されていて、なんともエロいな、と。全体的に微妙にむっちりとしているので炉系の方にはちとキツいかもしれませんが、ライト層からマニアにまで幅広くアピール出来るハイクオリティな一冊。
まぞ・ちち (TENMAコミックス)

まぞ・ちち (TENMAコミックス)

 Erect Touchの中の人の初単行本。初期から最近までの作品を網羅してる都合上、結構絵柄が不安定なのは初見の方にはマイナスかもしれませんが*1、肢体の特徴は終始一貫してて、巨乳ムチムチ系。しかも乳輪がデカいという完全マニア志向。しかも、二次元では珍しいぶっかけ好きという嗜好を作品に結構反映させているので、絵柄的にもシチュ的にもかなり濃厚。内容も和姦、輪姦、陵辱、NTRと多岐に渡っており、良く言えばバラエティに富んだ、悪くいえば若干散漫な印象。真価を発揮するのは絵柄が今の絵柄で統一されてる次作ってコトになるでしょうが、この作品も充分にパンチは効いてるんで、マニアックで濃ゆいエロスを求める方は是非。
Colorful Princess (ホットミルクコミックス 242)

Colorful Princess (ホットミルクコミックス 242)

 反村幼児の4作目。お得意の炉路線は王道のぺたからロリ巨乳、果ては○学生妊婦姿*2まで幅広くフォローしており、炉に対する懐の深さをマスにアピール。もう一つの得意分野である近親相姦モノも、姉弟や兄妹などの定番を軸に様々なバックボーンを絡めてフォロー。近親相姦などのインモラルなシチュは設定等の情報によって視覚のみならず思考によってエロス成分が増幅されていくんですが、反村幼児の作品は日常に根ざしつつも適度な重さやemoさなんかを加味したシチュを織り込んでくれていて、そこら辺の匙加減が結構絶妙かな、と。何気に女装美少年モノもあったり、ふたなりモノもあったりして、可愛くてキュートなんだけどきっちりエロいという素晴らしい仕上がり。
富士美コミックス インセスト -anal hole-

富士美コミックス インセスト -anal hole-

 多分7冊目。今作は単発作品*3を集めており、そのどれもが基本「犯るだけ」作品ばかりという、「エロ」に特化した純然たる作品ばかりというのが頼もしい。伊沢慎壱の特徴は絵柄的にもシチュ的にも、ねちっこい、粘っこい描写の数々にある。絵柄的には、肉感的であるのは勿論だが、性器描写に代表される「肉!」といった質感を感じられる描写が魅力的。また、乳首などの細部のパーツに対するフェティッシュな描きこみっぷり*4も良い塩梅。それと、舌を効果的に使ってるってトコも言及しておきたい。舌を制す者はエロスを制す。
 シチュ的には、前戯やキス等の濃密っぷりが際立つ。二次元ドリーム要素が薄い作風だからでしょうが、この生真面目なまでに基本に忠実な組み立て方は、ある意味珍しい気も。
 極端にextremeな方向に向かうワケでもなく、かといってギャルゲ的ライトで甘々な方向に向かうワケでもない純然たる性行為のみを描き続けるスタイルっていうのは、徐々に減りつつある方向性だと思うのですが、この本に収録されている爛れた性描写の数々が放つ濃密なエロス臭とある種の閉塞感からは、日本的なエロスを感じずにはいられない。アメリカンな後味の良いエロに飽きた向きにオススメしたい通好みな一冊。

*1:特に初期の絵柄は面長かつ鋭角な輪郭で、かなりクセが強いし

*2:この姿での行為は無い。そこは同人誌でどうぞ

*3:一部連作もあるが、ストーリー上の繋がりは無し

*4:そのこだわりが形状等に向かわないのは、恐らく意識的なんじゃないかと。敢えて世間一般のストライクゾーンの範疇に止めてるんじゃないかなぁ