9/9 "巨乳っ娘7"@都産貿浜松町館

 日曜は「巨乳っ娘」に行ってきまして。
 臨戦態勢で臨むほど気合が入ってたワケではないので、11時開催イベントであったにも関わらず会場に着いたのは10時過ぎというだらけっぷり。場外に形成されていた入場待機列の最後尾に陣取り、先行してたANTさんに連絡を入れる。コミケと違い電波状態はスムーズなのでw直ぐに連絡が取れまして、カタログの販売所を教えてもらい、そこで落ち合ってからちょろっと打ち合わせ。とは言え、オンリー系イベント故、数分と経たずに打ち合わせは終わってしまったので、ほぼ談笑タイムと化してたワケですが。
 暫し後、列圧縮が始まりそうになったので一旦ANTさんと別れ、粛々と流れに沿って都産貿館内に入場。4Fの会場目指して階段を上っていったのですが、都産貿では1フロアで複数の即売会が開催されてるケースがままありまして、ご多分に漏れず4Fも同様のケースだったため、混雑解消策の一環として一旦5Fまで行き、そこからフロアを横断して4Fに下っていくという経路を辿る。ホール内は空調が効いているのですが、移動に用いられた階段内は空調の恩恵には与れず、それどころか窓も閉ざされているので結構蒸し暑く、開場時間までの暫しの間、不快指数満点な環境下で耐え忍ぶことを余儀なくされたり。その間は手持ち無沙汰にも程があったので、漫然と先ほど購入したカタログを眺めていたのですが、このカタログ、改めて眺めてみると予想の斜め上をいく素敵な仕上がりでございまして、開催の度に徐々に活気がなくなっていくのも納得っつーかなんつーか。そんなやるせない気分に浸ってるうちに開場時間となりまして、意外とスムーズに入場出来ちゃったり。
 とりあえず初動は大本営。明らかに一番人気っぽく列が伸びていたので、そそくさと最後尾に並ぶ。新刊はオフセなので、なんとか2部は確保出来るだろう・・・と安堵したのも束の間、「新刊1限でーす」との絶望的な言葉が耳に飛び込んできまして、しょんぼり。なんとか自分の分は確保出来たのでループしてみたのですが、努力の甲斐なく2冊目を手にする前に完売。オンリー系イベントの搬入量の読みの難しさは察するに余りあるので、こんな結果に終わるも已む無し・・・。ひとしきり忸怩たる思いに苛まれた後、気を取り直して他のお目当てのブツを順次回収。程なくしてお目当てのトコは一通り周り終えてしまったので、残る幾つかの時限販売サークルの到着を待つべく、当て所なくフロアを徘徊してみたのですが、巨乳っ娘って即売会としては異様に淡白なイベントなんで、あんまフロアを練り歩いてても楽しくないんだよね。だもんで、参加サークルを端から見て周ったら、ホント終了ってカンジなワケで。これは何も一般参加者サイドだけの感想ではないような。理由は後述。
 巡回後にマイミクさんのトコに顔を出しに行ったり、ANTさんと談笑したりしながら時間を潰し続けるという優雅な休日の午後のひと時を堪能。そうこうしてるうちにお目当てのサークルの列が形成されたので、首尾よく前方に陣取る。その列は混雑対策のために荷扱ホールのほうに出されたので、暫しホール内から隔離。そこに「別のサークルの列が形成されてる」との一報が入ったので、俄かに色めきたつ隔絶組。幸い、あたしゃそのサークルには用が無かったのでニヤニヤしながらそのざわめきっぷりを眺めていられたのですが、中には列を抜けてホール内に走る者も少なからずいたので、その苦渋の決断に内心エールを送ってみたり。自分が同じ境遇だと考えると、ぞっとするしw*1
 一方、誘惑に負けなかったワタクシたち忠誠度高い組は無論お目当ての本を入手出来たので、安堵安堵。ようやく肩の荷が下りたので、ゆとりを持ってフロアを見渡して見ると、そこには異変が生じておりまして。ワタクシがフロアから隔離されてる30分ほどの間に、結構ごっそりと参加サークルが撤収してしまして、まさに閑古鳥でも鳴いてそうな状態。イベントは15時までで、この時点で14時半という状況を鑑みれば分からんでもない状態ではありましたが、それを差っぴいても薄ら寒い光景だった・・・。とは言え、ワタクシたちもこの場に居残る気などビタイチ無かったので、とっととフロアを後にし、エレベーター・ホールに向かったのですが、なんとはなしに振り返ってみると、そこにはあからさまな「明」と「暗」が展開されてまして。隣のホールでは、既に放送が終了してる「ふたご姫」のオンリー・イベントが開催されていたのですが、巨乳っ娘と同規模開催、同時刻終了という条件だったにも関わらず、ふたご姫関連のBGMが流れるフロアは終了間近にも関わらず多数の参加者で賑わっており、その眩さから逃げるようにエレベーターに乗り込むワタクシたちw。
 ああいう光景を目の当たりにすると、やっぱ即売会って「ただ同人誌の売買をするだけ」の場じゃないんだというコトを痛感させられる。主催者とサークル、そして一般参加者が三位一体と化して初めて「同人誌即売会」というものは形成されるのよね。その三者の関係性っていうのは「共犯」なワケで、そこにはヒエラルキーなんて存在しないのねん。
 即売会の規模が大きくなると、関わる人の数も金もリアリティを感じにくい規模に肥大化してしまい、結果としてイベントの在り方や参加者の意識も多様化し、本質的な部分が見えにくくなってしまってるけど*2、オンリー系イベントのような小規模のイベントでは、同人誌即売会の原点とも言えるそんな意識が連綿と受け継がれ、脈々と息づいている様を往々にして*3実感するコトが出来たりするのですが、図らずも壁一枚で隔てられた空間の向こう側で、それが実感出来るイベントが開催されていようとは・・・なんという皮肉。
 意識だなんだって言うと小難しく思えるケド、実際のトコは全然普通のコトなんだけどね。音楽とかに例えると分かり易いケド、グっとくるライブを観れば自然と身体は反応するし、見終わった後に声をかけてデモの有無とか訊きたくなる。そんなバンドのライブのとき、自分と同様に楽しんでる見知らぬ客がいれば身体がブチ当たっても笑ってあしらえるし、終了後に声の一つもかけたくなる。そういうグっとくるバンドを頻繁にブッキングするハコには足しげく通うようになるし、ハコの中のドリンクを頼んで微力ながらも金を落としたり、周囲でたむろって迷惑をかけないように心がける。
 そんなコトって、別に誰かに教えられたり促されたりするようなコトでは無くて、身近なレベルでは、わりと誰でも自発的にやってるコトだと思うのよね。誰だって自分が好意/好感を抱いてる身内や友人、仲間たちには親愛の情をもって接するでしょ?そんな気持ちを互いに抱けあい共にシェアする場の形成の一端を担ってる歓びっていうのは、筆舌に尽くし難いものがあるワケで、一度でもそういう感覚を味わっちゃうと、なかなか元の生活には戻れないよねw。
 そういう意識を抱けるイベントは、サークルも一般参加者も最後までちゃんと残ってたりするんだけど、巨乳っ娘はねぇ・・・。サークル側も一般参加者側も「打っても響かないイベント」っていう認識で一致してるにも関わらず、恐らくはそれを把握してるであろう主宰側は一切対策を講じないという、いっそ清々しいと思えるほどの無策っぷりを毎回見せ付けてくれるので、イベントがワーク化してしまうのも必然っつーか。
 ま、こういうビジネス・ライクなイベントっていうのも別に悪いとは思わないけど、初心者がこういうイベントに足を運んで「即売会ってこういうものなんだ・・・」とかいうイメージを焼き付けちゃったりするようなことがあったら・・・とか考えるとやるせなくもなりますが、これもまた現実だからねぇ・・・。微妙にほろ苦い思いを噛み締めつつ、今度こそエレベーターに乗り込み、都産貿を後にしたのでした。

*1:結局、ホール内のサークルを買ってからこちらの戻ってもなんとかなったっぽいんで、列を抜けた連中は勝ち組だった模様

*2:無くなってはいない。少なくとも昔から参加してる自分の周りの人間は、サークル/一般問わず、そういう意識を持って参加してるし

*3:「常に」ではない