6/15 "SUPER RIZUMU +8more THANKGOD JAPAN TOUR!"@小岩eM SEVEN / Trikorona / Thankgod / Deepslauter

 昨日は小岩に行ってきましたよ。
 直前までvelocityut@幡ヶ谷に行くか、Thankgod@小岩にするかで悩んだんだけど、出演バンドがキャンセルになったりして、もしかしたら人が少ないかも・・・という理由から小岩行きを決断。そうと決まれば早速支度を整えて・・・といきたかったのですが、仕事がちょっと押してしまったので、慌ただしく家を飛び出す。
 途中、秋葉原に寄って、先日購入したデジカメ用のxdピクチャーカードを購入しようかと目論んでいたのですが、新宿から乗った総武線で運良く座れてしまったので、途中下車を断念し、小岩に直行するコトに。内蔵メモリーだけでは41枚しか撮れないんだけど・・・致し方なしw。
 一応、小岩に到着後、駅ビル内のカメラ屋を覗いてみたのですが、購入予定の1Gのヤツは相場よりも高かったので、スルー。とぼとぼと肩を落としながらeM SEVENに向けて歩いていくと、友人・知人らと立て続けに遭遇。小岩は今日も賑やかです。
 そんな友人らに聞くところによると、あにはからんや、開場前にも関わらず、結構な人数が押し寄せているとのこと。Thankgodって、そんなに人気があるの!?と、いぶかしみつつフロアに向かうと、階段やら受付カウンター付近やらに人が溢れており、フロア内も結構な人だかりが出来てまして・・・。あんまeM SEVENが満員になってる現場に出くわしたコトがないので、この人出の多さは新鮮だw。そして、人波の隙間から、フロア前方にそびえ立つポール・ダンス用のポールを視認し、失笑w。ホントにやるのね・・・*1。NMさんやKDさんらと談笑してると、10分押しの開演時間が迫ってきたので、ステージへと向かう両者の後ろにくっ付いて混雑するフロア内を潜り抜け、難なくステージ最前列を確保するという絵に描いたような漁夫の利を体現。
 鶏を観るのは、なんと5ヶ月ぶり。しばらく観てないとは思ってたんだけど、こんなにも長期に渡って観なかったのは珍しいんじゃないかしらん。それ故に期待してたのですが、期待以上のステージングを見せ付けてくれやがりましたよ。とにかく、最初の一音を聴いた瞬間に、明らかに以前とは違う印象。全パートが拮抗しつつも調和しており、「バンド」としての熟成が感じられる。試行錯誤の時期を乗り越え、確たる方法論が定まった上での切磋琢磨の賜物か。弦楽器隊はノイジーな轟音を撒き散らしてるにも関わらず、リフはおろかソロまできっちりと判別出来る独特のサウンドスケープで、濡れた。voxのコヤマさんも相変わらず情念剥き出しの咆哮っぷりで轟音に対抗。さらには、ポール・ダンサーの姐さんにも対抗し、自らも天井の梁にぶら下がり、並んで宙に彷徨ってる姿は圧巻でしたw。勿論ハットリさんのドラミングもタイトかつパワフル、それでいてドライヴ感も満点でして、文句無しのカッコ良さ。まさに鶏のダイナモですな。

 そんな轟音天国をバックに、フロア前方ではポール・ダンサーの姐さんたちが際どい衣装を身に纏い、ポール・ダンスに興じてるという摩訶不思議空間が展開。ただ、あたしゃ前述したように最前列にいたので、ポール・ダンスを愛でるには振り向き加減なポジションをとらねばならぬというジレンマが。だもんで、ぶっちゃけポール・ダンスの効力を実感出来ずじまい。この日に限っては、最前列に陣取ったのは失敗でしたw。ともあれ、途中、聴き覚えのない曲も聴けたりして、終始ご満悦のうちに終了。いやー、のっけからいいモン拝ませてもらいました。
 お次は、意外にもThankgod。vox、G、G、B、Dsの5人組。てっきりvox以外全員ex.Guyana Punch Lineかと思いきや、年長のGとBのみがex.GPLだそうで。そんな新戦力の中でも、voxとDsの濃さが光まくり。voxはマイクを臭って「クサイ」とか片言の日本語を話したり、キショい笑い声を上げながらステージ上を徘徊してるし、Dsは、他人とは思えないようなデブで髭坊主なルックスで、にこやかにフロアをデジカメで撮影してたかと思いきや、いざライブ間近になると、何故か服を脱ぎ始め、そのプランパーな肢体を惜しげもなく晒し、キュートな水玉風味な模様のデカパン一丁でドラムに陣取るというセクシー・ダイナマイトっぷりをマスにアピール。この時点でchaotic〜emo violence系にありがちなインテリ臭とは無縁のバンドであるという事実が判明したので、俄然興味津々w。
 ライブは、インプロっぽい展開でスタート。静かで不穏な音をベースに、時折叫びとドラムが切り込んでアクセントをつけるってな展開。その間の取り方やGの繊細なプレイっぷりに徐々に引き込まれていったところで、楽曲に雪崩れ込む。楽曲は流石に練られる印象。chaotic〜emo violenceのエッセンスを随所にカンジさせつつも、けして複雑すぎるというコトもなく、時折2ビートに代表されるシンプルな展開なんかも織り込んで上手く楽曲に幅を持たせてるトコなんかは、ベテランならではの匙加減っぷり。

 演奏のクオリティもまずまずで、特にex.GPL組のセンスの良さが光ってました。ただ、「演奏で圧倒」とまでは至らず、テンションやキメの部分で若干の甘さも感じられましたが、初日の出来としては上々なんじゃないかと。少なくとも「ライブ・バンド」ではあると断言出来るし、好きで観に行った人の期待は裏切らないんじゃないかと。個人的にも充分楽しめたし、もしかしたら来週の@八王子にも足を運んじゃうかも。
 存外に楽しめたThankgodの余韻覚めやらぬ間に、トリのDeepslauter登場。4人編成になってから観るのは初めてだったのですが、これまた凄かった。従来の魅力であるディスコーダントでダンサブルなテイストはそのままなのですが、それを怒濤の演奏力とテンションで叩きつける様は、圧巻の一語に尽きます。しかも、随所にFastcoreっつーかGrindのような展開なんかも織り込まれるようになって、さながら「ポップで踊れるDillinger Escape Plan」とでも形容したくなるような異形のサウンドに進化しておりまして、唖然呆然。凄い領域に突入しちゃってるなぁ・・・。

 フロアのほうもこの日一番の盛り上がりで、ツアー初日のトリを飾るに相応しい、渾身のステージを披露してくれたのではないかと。
 ツアー初日から出演バンドのキャンセル云々といったトラブルに見舞われはしましたが、結果的には3バンドで大正解だったんじゃないかしら。基本的に同じベクトルのバンドが揃ってるのに3者3様な進化を遂げてて、その違いをじっくり味わえたっていうのは興味深かったし、面白かった。しかも全バンド文句無しなステージを魅せてくれたんだから、ワタクシは御満悦でございましたよ。行くかどうか悩んでる方は、とりあえず行ってみるが吉。

*1:この日のTrikoronaは、黒パイプのポールダンサー嬢を迎えての特別仕様だったのです