6/8 "ビックワン 大喜利世界一決定戦 第十四回大会"@なかのZERO視聴覚ホール

 金曜は、中野でお笑いのライブを観てきまして。
 今回は中野で合流予定だったので、新宿でちょろっと買い物してから中野へ。改札外でUDさんを待ってると、目の前を米粒写経の居島さんが普通に通り過ぎていきましたw。ワタクシよか年下なのに、あのどっしり感。やはり只者ではない。そんなイレギュラーなエンカウントやHTさんからの電話とかをしつつ、無事にUDさんと合流。とりあえず腹ごしらえをすべく、近場の焼肉食べ放題店「ガッツ・ソウル」に赴く。このお店は¥980から食べ放題のコースがあるというリーズナブルなトコでして、値段のランクが上がるごとに食べられるメニューが増えるってな寸法なのですが、時刻は18時間近*1とあまり猶予が無い状態だったので、一番安いコースを頼み、食事開始。
 バイキング形式の店だと自分で肉とかを取りに行くのが定石ですが、この店はオーダー制。一度にオーダーできる量に制限があったり、肉を全部平らげてからでないと追加出来なかったりってな具合に各種縛りがありますが、まぁ値段が値段なんで已む無しっつーか。安価なコースは牛肉がチョイス出来ないので、豚と鶏を焼きまくりの食いまくり。まぁ値段相応の肉ですが、丸一日何も食べてない身には肉のクオリティなど瑣末なコトに過ぎないので、もふもふと食らい続ける。途中、何度か卓上が炎上しかけるも、その都度キャベツ等で鎮火し事無きを得たのはご愛嬌。結局、そんなこんなで鼻から鶏皮が零れ落ちそうになるくらい食したのでした。
 ひとしきり間断なく食い続けた後、ふと周囲の会話に耳を傾けると、中野というお土地柄のせいか、隣のテーブルの客が若手芸人だったようで、オーディションの話や先輩批判などのトークを展開してて、ちょっと笑ってしまったw。ちなみに、ワタクシは気付かなかったのですが、UDさんの指摘によると、別テーブルでは先日の「日本まな板ショウ」に出演してた某コンビが陣取っていた模様。世間は狭いなぁ・・・と妙な感慨に耽りつつ、18時半過ぎに店を後にし、会場である「なかのZERO視聴覚ホール」を目指す。
 件の「なかのZERO」に到着すると、意外と多くの人影が・・・と思いきや、その人影の正体はB-Boy/Girlの類で、ダンスの練習中だったり。そんな連中を横目に建物内部に潜入し、B2Fの視聴覚ホールに。既に前売りでチケットを入手していたので、難なくフロア内に入ったのですが・・・意外と人いないなぁ。時刻は開演10分前くらいだったのですが、客は十数人程度*2。事前にUDさんから意外と客が入らないという情報は得ていたのですが、ここまで客が少ないとは思いませんでした。参加メンツは豪華なんで、もっと動員があっても不思議じゃないのにね。
 ともあれ、グダグダな前説*3&この日のシステムの解説等に聞き耳を立てる。この日のライブは「ビックワン 大喜利世界一決定戦」という看板どおり、参加芸人が大喜利で凌ぎを削るってな塩梅。予選トーナメントを勝ち上がった勝者4名が決勝戦で雌雄を決するワケで。勝敗は、各ラウンド毎に設定されたお題に対する回答を採点していき、その合計ポイントの高い者が勝利するというシステムで、採点は3名の判定員*4の合議制。「一本」「技あり」「有効」を判定し、技に応じたポイントが回答者に加算させるってな寸法。その他にも細かいルール設定が為されており*5、なかなかガチな印象。
 この日は本選参加者は16名だったので、4人ずつに分かれ、計4ブロックで1回戦が行われまして。1回戦は「お題」一つで制限時間10分。制限時間内なら何度でも回答可能な上に減点も無いため、結果として一撃の破壊力よりも手数の多いほうが有利という事実が判明。これは、参加者たちも元より承知してたようで、手数で勝負する芸風じゃない者は、己がスタイルを貫いて玉砕していきました。その代表格は、殿方充か。時間をかけて練り上げた極上の下ネタで華麗な一撃を放ったものの、連射が効かず敢え無く敗退。
 一方、居島一平三平×2ユンボ安藤などの高値安定タイプの芸人たちは小刻みに得点を重ね、順当に勝ち上がり、決勝にまで至る。そんなスタイルの芸人の中では、「ずん」の「やす」が燻し銀の魅力を発揮。「ずん」はTVでもお馴染みだし、個人的にお気に入りの芸人でもあったのですが、ナマで観てもやはり面白かった。
 「やす」が一番光ったのは、この日最高の盛り上がりを見せた準決勝。お題は、「某女性柔道家*6が外人選手から呼ばれてるあだ名」的なモノでして、横須賀歌麻呂の至言
ブックオフ・ヴァギナ」
を筆頭とした怒濤のdis合戦が展開される中、ただ一人「お母さん」というほのぼのとした、それでいて妙なリアリティのある回答を示し場内の笑いをかっさらった手腕が光りました。結果的には2回戦敗退でしたが、確かな実力の一端を垣間見れて、ワタクシご満悦でございましたよ。ちなみに、決勝戦出場者は、居島一平三平×2ユンボ安藤、そして横須賀歌麻呂。
 準決勝戦後、若手によるエキシビジョン・マッチが催されたのですが、往年のPastelsもかくやってな具合のグダグダっぷりが眩かったです。そんな中異彩を放っていたのは、やはりというか流石というかってなカンジの、CHU×3チューブの愛知万太郎。フライパンを使いボケるというお題で、皆が四苦八苦してボケを捻り出す中、ただ一人「何になさいますか?」的な素の回答を繰り出すという極めて高度なボケを披露し、喝采を浴びてました。やはり天然には敵わないのかw。
 そんなエキシビジョンの後、決勝が行われ、見事三平×2が初勝利を修めました。終始圧倒的な回答数で押しまくり、着実に得点を稼いだ末の勝利で、お見事。でも、この日一番輝いていたのは、間違いなくヘブリスギョン岩月だったりw。お題と全く関係の無い回答を思いついては脊髄反射で回答し続けるというスタイルだったのですが、迷いや逡巡など一切無い確信に満ち溢れた堂々たる回答っぷりが眩すぎ。自由だなぁ。
 そんなこんなで2時間半近くに渡って楽しませていただきました。総じて楽しめたんですが、「お題」回りに難しさを感じたのも正直なトコロ。「公平性」を重視してるのでしょうが、回答の度に一々「お題」を読み上げるのは、どうなのかなぁ、と。「お題」がコンパクトな際には気にならないのですが、「お題」が長い場合、そこで流れが断たれてしまうので、どうももっさりしてしまうっつーか。恐らくは回答者に常に同じ条件下で回答させるため、敢えて毎回読み上げてると思われるので、なかなか難しいとは思いますが、単純に観てる側としては微妙さを禁じえないかなぁ、と。
 とは言え、こういう肉体言語を封じ純粋にデリヴァリーのみで勝負するという方式は、今まで観てきたアンダーグラウンドのお笑いの中では珍しい方向性を打ち出していて興味深かったので、また観たいですね。

*1:開演時間は19時

*2:最終的には30人弱くらいにはなりましたが

*3:それはそれで一周回って面白かったんだけどw

*4:芸人

*5:例えば、衣装は全員スーツ着用とか、他人の回答への天丼禁止とか、公平性を保つための工夫が窺える代物

*6:金メダリスト