6/2 "Bite Tonight vol.2"@武蔵境STATTO / Grind Shaft / Paluka / 9Hours / Spy Master / Eyesore

 土曜は、9Hoursが活動休止するとの情報を得たので、急遽予定を変更し、武蔵境STATTOへと馳せ参じまして。
 出かける直前まで「ぷにケ」のカタログ・チェックに精を出し、慌ただしく出立。STATTOのある武蔵境は、ウチから直線距離だと比較的近場に位置しているのですが、都下特有の電車事情の悪さ*1により、意外と時間も金もかかってしまうので、実は今まで訪れたコトが無かったりするのですよ。
 ところが、ひょんなコトから、調布から武蔵境駅行きのバスが出てるコトを知ったので、ネットで詳しく調べてみたところ、件のバスは小田急バスでして、運賃は¥210の定額制。電車を乗り継いで行くよりも安上がりという嬉しいオマケつきだったので、もはや選択の余地無し。
 夕方の時間帯だったので、殆ど待ち時間無しで件のバスが来たので、乗車。道中の行程は、途中まで多磨霊園方面行きのバスと同ルートだったので、勝手知るったり景色が広がっていたのですが、中盤以降は見知らぬ風景が展開。典型的な郊外の景色を愛でつつ、調布から30分ほど揺られたところで武蔵境駅前に到着。そのままSTATTOに一直線・・・といきたいトコですが、その前に武蔵境の聖地に巡礼すべく、駅を通り抜けて北口方面に移動し、「中央食堂」を目指す。
 この「中央食堂」というところは、安価で大量のメシが食えるという「大盛り」の聖地の一つ。なんせカツカレーが一杯¥200、大盛り*2でも¥600という破格の価格設定を誇っている非常識なお店なワケで、かねてより巡礼したいと思ってまして。だもんで、今回のSTATTO行きの機会は渡りに船。前日の夕食以降一切メシを食わず、空腹感もピークを迎え、1.5Kgのカツカレーに挑む体勢も万全。boilimg point寸前の状態で足早に「中央食堂」目指して歩を進めたところ、程なくしてネットで散見した店の看板を視界に捉える。自然と弛む口元を引き締め、敢然と店の前に立ったまでは好かったのですが・・・休店日でした。日曜が定休日っていうのは知っていたのですが、土曜もそうだったのか・・・。土曜は第二、第四が定休だって情報もあったんで、開いてるかと期待してたんですが・・・無念。
 沸点寸前だったテンションは一気に氷点下まで落ち込み、やるせない気持ちでその場を離れまして。致し方ないので、大戸屋で適当にメシを食い、最低限の食欲を満たしたものの、意気消沈したまま思い足取りで一路STATTOへ向かうワタクシ。欝だ・・・。
 幸い、迷う事無くSTATTOには辿り着けまして、チケットを購入して入場しようとしたところ、なんと、スタジオライブよろしくチケットの代わりに手の甲にスタンプを押すというシステムだったので、ちと面食らう。ドリンク用の半券を受け取り入場すると、これまたビックリ。狭ッ!ステージがあってバー・カウンターがあって・・・ってなカンジで典型的なライブハウスの造りではあるのですが、その面積が狭い。おそらく、70人も入ったら満員電車ばりの人口密度になっちゃうんじゃないの?ってなくらいの床面積。でも、歴史を感じさせる適度にくたびれた内装と、そこから醸し出される雰囲気が妙に心地良く、なんか落ち着くなぁw。
 てなカンジで店内を眺めてると、HTさんとtpさんを発見。tpさんとはご無沙汰だったのですが、開演時間が押したおかげで、多少ゆっくりとお話が出来たので、楽しかったです。まぁ詳細は割愛しますがw。
 この日は、メンバーの都合上、Grind Shaftがトップ。Grind Shaftは数年前に目黒MOD STUDIOで観て以来だったので、かなり楽しみにしていたのですが、のっけから度肝を抜かれる。なんと、OPナンバーはブルース・ハープをフィーチャー*3したロッキンなインスト曲。これが腰が入ってて実に艶やかな演奏で、えらいカッコ良さ。そしてvoxの方が入ってきて、従来のHCナンバーに雪崩れ込むという、ゾクゾクするような展開に、鷲掴まれてしまいましたよ、あたしゃ。
 さらに、ミッド・テンポのナンバーがセットに配さており、そういったナンバーが今まで以上にGrind Shaftを味わい深くしていた印象。ミッドな曲では、リズム隊のドライブ感が際立ち、そこにブルース・ハープとテッペイさんのギター・ワークが彩りを添え、情念溢るるvoxが攻撃性を加味。いやー、カッコ良い。セットの流れに緩急がついたことによって、速い曲で押していた頃よりも攻撃性が増していて、かなり素晴らしかったです。今度は、もっと長いセットで観てみたいですねー。


 2番手はPaluka。これがまた素晴らしかった。以前観た時はジャム・セッション的な要素が光っており、ある種ブルージィなテイストすら感じられ、大枠ではロックな範疇に括られるサウンドを展開していたのですが、この日は不協和音&変拍子を多用した攻撃的なサウンドを全面に押し出していて、曲によってはebullition系やBlack Flagを思わせたりする、一昔前のPalukaっぽいテイストが強かったのですが、そこに、近年培ってきたジャム・セッションっぽい要素を加味*4、さらに、こういったある種のカオティック系サウンドでは珍しく、ディレイを多用したぼんやりとした輪郭のギター・サウンドで全編押し通すという異種異様な音像を構築。
 また、以前よりも演奏にプリミティブさが増していて、こなれた感じが減退し、攻撃性が増していた点も見逃せない。特にDsのイマイさんのプレイが凄いコトになっていたような(笑。その結果、従来若干弱かったFastな楽曲での攻撃性が格段に増していて、素晴らしかったなぁ、と。正直、ここにきて攻撃性を増す方向にシフトするとは思ってもみなかったので、嬉しい誤算。

 3番手は9Hours。活動休止の理由がナオキさんの引越しのせいっていうのはホントなのだろうかw?それはさておき、この日で活動休止というアナウンスは特になされず、淡々とスタート。序盤は最近の9Hoursに顕著な後期Dag Nastyっつーか後期Verbal Assaultっつーか後期Screamっつーか・・・ってな感じの後期系emoサウンドwを展開。ただでさえ出音がペナペナな上に、微妙に弛緩したテンションで演奏される長めの楽曲を3曲も連発されると、正直・・・。
 が、中盤でファストなナンバーが挿し込まれると、途端に見違えるうように躍動するジュンさんの姿が眩い。終盤はファストなナンバーで押し、"Spring"で一旦〆。でも、アンコールの声に応え、そこで初めて活動休止をアナウンスし、ラストは"Sports"でフィニッシュ。正直、演奏はガタガタだったんですが、それでもやはりカッコ良いものはカッコ良いのだ。いつの日か、ひょいっと復活して、またワタゾウさんの鬼気迫るドラミング*5を拝みたいものです。



 4番手はSpy Master。先週の復活ライブは微妙な出来だったのですが、この日はバッチリ。立ち上がりはイマイチでしたが、ハットリさんがトチって曲をやり直して以降、メンバーの肩の力が抜けたのか、急速にバンド全体の歯車が噛み合い出し、久しぶりにドライブ感溢るる本当のSpy Masterのサウンドが聴けました。こういう時のSpy Masterのカッコ良さは、筆舌に尽くし難いものがあります。
 ナチュラルにポップでキャッチーなんだけど、浮ついた要素は皆無。early 80's USHCを正しく継承しつつもしっかりと咀嚼してSpy Master独自のサウンドへと昇華させており、凡百のYouth Crew〜Thrash系バンドと一線も二線も画すサウンドのクオリティの高さとセンスの良さは、尋常ならざるレベル。こういうバンドをリアルタイムで身近に観てると、海外の来日バンドのライブからどんどん足が遠のいてしまうのが玉に瑕w。やっぱ本当に好きだわー。最高。


 そしてこの日のトリであり主宰でもあるEYESORE*6の番となったのですが、ワタクシは終バスの都合で殆ど観れずじまい・・・。後ろ髪引かれながらSTATTOを後にし、帰路に着いたのでした。

*1:南北の移動が不便

*2:1.5Kg弱くらいあるそうで

*3:この方は他の曲でもブルース・ハープで参加してて、正式な新メンバーだそうです

*4:でも、そういったパートでも、以前より音数を減らし、間とか鳴りを活かす方向になってた気がしたのは、気のせいかしら?

*5:notテクニカルw

*6:Groaning GrooveのBの方がGで参加