5/3 "Live Age vol.7"@新宿JAM / SUFFERING FROM A CASE / BROWN TROUT / BLT / THE URCHIN / LONG BALL TO NO-ONE / DRIVE

 この日は、90年代初頭に一部マニアを熱くさせたUKメロディック・バンド、DRIVEの最初で最後の来日公演の初日でして。本来なら狂喜乱舞するところではありますが、なかなかそうもいかない事情もあるワケで。
 なんせ、当のバンド自体は遠の昔に解散してるうえに、今でも現役で活動しているのはvox&GのIainだけという体たらく。昨年リリースされたディスコグラフィ併せで再結成し、ちょろっと地元でライブをやり、今回の来日ツアーで解散ってな流れなワケですよ。大物バンドにありがちなmake moneyのための来日っすか?と穿った意見の一つも言いたくなりますが、今回に限っては諸般の事情とかを事前に知っちゃってたので、まぁ好しっつーか。
 それに、思い起こせば現役時代に陽の目を見たバンドじゃないし、ここ日本でもSNUFF & LEATHERFACEの後塵を拝し、一部好事家に好まれてたくらいだったので、最期に好い思いをしたって良いじゃない!とも思えたワケで。
 だからといって、諸手を挙げて祝・来日!ってな風にはいかなかったのねん・・・。なんせ、ネットとかで観れる映像は全て現役時代のものだし、新録の音源があるワケでもないので、現在どんな状態にあるのかが皆目見当がつかないワケで。普通に今でもカッコ好いバンドならナンボでも推しますが、たとえ不義理の謗りを受けようとも、現状が分からないバンドを推すワケにはいかないのですよ。だもんで、ウチの表の日記では、告知程度に止めざるをえなかったワケで。
 てなカンジで、どうにも複雑な想いを抱えつつ、夕方に新宿入り。「とら」でエロゲやら画集やらフィギュアやらをもりっと買い込んだ後、現場に先行しているN2さんとメールのやりとりをしつつ、JAMに移動。JAMに着くと、N2さん、HTさん、GOさんが外でダベってまして、ワタクシも談笑の輪に加わる。
 序盤こそ、その日SCCで某サークルの売り子をし、ご満悦なHTさんのBLトークを適当にあしらっていたに過ぎなかったのですが、気がつけばCRUZ RECORDSやらCCHEMICAL PEOPLEやらBIG DRILL CARやらってな話題で盛り上がってしまい、気がつけばトリ前のLONG BALL TO NO-ONEになってたので、フロアに移動。
 先日のFIFTH HOUR HEROの時みたく、ギッチギチに混んでるのかと思っていたのですが、いざフロアに入ってみると、意外なほど人が入っておらず*1、ちとブルーに・・・。なんぼDRIVEの知名度が低いとはいえ、対バンのメンツとかはsnuffyキッズ好みなはずなのに。なんとなく、snuffyという看板が無いからsnuffy kidsがあんま集まんなかったのかしら?と邪推してみたり。
 そんなほろ苦いコトを夢想してるうちにLBTNが終わり、いよいよDRIVEの登場。メンバーがのっそりと袖から出てきて、LBTNの機材を持ったところで、不覚にも胸が高鳴る。四の五の憎まれ口っぽいコトを叩いたりしてても、やっぱDRIVEが好きなのねん・・・。積年の想いが走馬灯のように過ぎり、極めてemoい気持ちになったところで客電が落ち、"Drive"のイントロが・・・ッ!!
 ・・・って、あら?なんか猛烈な違和感が・・・?気のせいか、演奏がもっさりしてるっつーか、欠片もキレが感じられないんですが・・?そんな微妙な違和感は、続く名曲"No Girls"で顕著に。明らかにテンポが遅い。つーか、ミスを恐れてるとしか思えないような腑抜けた演奏が展開され、本気で泣きたくなった。ダメだ・・・これは。
 が、こんな事態は想定の範囲内だったので、スイッチを切り替え、往年の名曲を楽しむという、今のBEACH BOYSを愛でるような視点に転換。そういった視点で捉えると、演奏に大きな破綻は無いし*2、歌唱もまぁ及第点ではあるし、なにより曲の素晴らしさは劣化してないので、それはそれで楽しめるようになりまして。
 以降は、半ばヤケクソ気味に殆ど全曲で歌いまくって無理から盛り上がる(笑。フロアもそんなノリだったので、それに気を良くしたのか、バンド側のテンションも後半は若干上がったのですが、"Cheezy Rider"〜"Workhorse"というDRIVE最速にして必殺のコンボの時にはDsのJeffがミスったりしてしまい、やはり寄る年波&ブランクは隠し切れず、最後まで微妙に煮え切らないままだったり。でも、なにげにMINUTEMENの"This Ain't No Picnic"のカバーだけは妙に出来が良かった気がw。
 そんなこんなで、ラストはOP*3と同様に、インスト曲の"Fire Flaps"で〆。どうでもいいけど、同じインスト曲で始めるなら、"Drive"よか"Fire Flaps"のほうが勢いがあって好かったと思うんだけどね。
 なんか、かなり筆舌に尽くし難い様々な想いが交錯したライブだったなぁ・・・と。思い入れが無ければ「微妙」の一言で済ませられるのですが、その一言で済ませられるのなら、こんなに煩悶しないワケで。なんつーかアレだ、プロ野球マスターズリーグを観てるような気分だったよw。同窓会的な雰囲気の中で、慈しむ目で往年の名選手を愛でる気持ちっつーかw。ま、それもまた一興さね。


*1:一応90人ちょいの動員はあったそうですが

*2:ただし、褒められる点は一切無い

*3:"Drive"