12/16 "なんとなく、クリスタル。P.1 vs TOXIC PUNK WASTE vol.96"@新宿STUDIO PENTA / XXD / DIET CHEAT / TOUCH ME / EVIL SCHOOLⅡ / SPY MASTER / NERVS / SCREWITHIN

 土曜、新宿のSTUDIO PENTAに、"なんとなく、クリスタル。P.1 vs TOXIC PUNK WASTE vol.96"を観に行ってきました。
 18時過ぎに開演とのことだったので、若干のゆとりを持って、17時半過ぎにPENTAに到着。会場である5Fのスタジオに向かうと、DRさんやYHさん、Rさん、HTさんらと遭遇したので、談笑しつつ開場までの時間を消化。途中、9HOURSのナオキさんに、先日のYOUTH BRIGADEの来日公演の模様を伺い、予想以上に素晴らしかったとの報に思わず嫉妬w。そうこうしてる間にBさんやCHさんなんかも合流しまして、賑やかになってきたところで開場。そして、若干押して18時半過ぎに開演となったのでした。
 トップは、当初の予定ではNERVSだったのですが、LOFTでのBREAKfASTのライブとの調整が上手くいかなかったようで*1、急遽トリ前に変更となったので、出順が繰り上がって、XXDが先陣を切る。メンバーは、Dsが9HOURS、EVIL SCHOOL、etcのワタゾウさんで、Gが9HOURSのナオキさん、そしてBとvoxという4人編成。
 で、このバンドの持ち曲が凄い。なんと、ナオキさんとワタゾウさんが過去にやってたバンドで書いた曲や、他のバンドとかに提供した曲とかをセルフ・カヴァーしてお届けするという、かなり特異なスタイルでして。で、のっけからSPITFIREの曲が炸裂したのを皮切りに、SLANGやFACE OF CHANGE、果てはMADAM MONTECARLOまで飛び出すというぶっ飛んだラインナップに震撼。あー、なんでこの場にNTさんとN2さんがいないのだろうかw。
 でも、stop & goを多用したり、early BOSTON HCスタイル丸出しなカンジのアレンジになってるので、どの曲も普通に新曲っぽく聴こえるというマジックが炸裂w。なんか全曲、曲のタイトルとかも変えてるし、微妙に皮肉交じりで黒い雰囲気がNEGATIVE FX辺りにも通ずる気がするようなしないようなw。
 続いて登場は、DIET CHEAT。観る度に変態度が上がっていってるのですが、この日も絶好調。乾ききったソリッドなトーンで鋭利なリフをパーカッシヴに切り刻むギター*2、時にファンキーとすら思える、うねるベース、変拍子からブラストに近い高速ビートまで、目まぐるしく展開する楽曲の屋台骨を支えるドラム、そして激しく動き回りながら吐き捨てるように歌うvoxとが織り成すサウンドは、ねじくれ曲がった脱臼ハードコア・パンクと形容したくなるような屈折っぷり。
 良く練られた楽曲のクオリティも高く、その一筋縄ではいかないセンスの良い楽曲群には、いつも感心させられます。今回は、ベースとギターのバランスが印象的でした。ギターが前に出るパートでは基本的にベースの音数が減り、逆もまた然りという具合に、可能な限り全体の音数を減らしていこうとしてるように思えたのは、ワタクシの考えすぎなのかしら?でも、速い曲とかでそういったスタイルが顕著だったので、あながち考えすぎでは無いような気もするんだけどね。速い曲で音数を減らすっていう手法は、個人的にはかなり斬新に思えました。
 今回は、いつもよかファストな成分が控え目な印象だったけど、それがさして気にならないほどの充実したプレイを披露してくれました。これでもっと場数を踏んで精度が上がっていったら、末恐ろしいコトになりそうです。SSTは言うに及ばず、LESS THANやJERK OFF周辺のバンドが好きな人なら、一見の価値ありです。
 3番手は、ENCROACHEDのGのモチヅキさんの別バンド、TOUCH ME。今年の5月に観た時は、まだまだ発展途上ってな印象だったのですが、あれから半年、格段の成長を遂げた姿を披露いてくれました。まず、voxがかなりモノになってきたのが印象的。まだ「もう一歩」感は否めないのですが、それでも随分情念が滲み出るようになっていたし、以前とは段違いに良くなっていたと思います。リズム隊も同様で、以前はちゃんと演奏しようという意識が強すぎて、HC的なダイナミズムに欠けていたのですが、今回は地に足の着いた演奏を披露してくれて、安心して観ていられました。
 そして、誰よりも成長に跡が伺えたのは、モチヅキさんのギター。ENCROACHEDのプレイでも光る独特のチョーキングが随所に散りばめられ、旨味たっぷりのうねりのあるグルーヴィなプレイがカッコ良い!TOUCH MEの楽曲は、LOGICAL NONSENSEや後期GRIMPLE、或いはABC NO RIO周辺バンドとかに通ずる、地下臭漂うミッドな楽曲が魅力的なのですが、モチヅキさんのギター・ワークは、そんな楽曲の魅力を最大限に発揮させているのではないかと。
 敢えて難を言えば、ENCROACHEDとTOUCH MEで、これといってプレイ・スタイルに変化が感じられないので、ともすればTOUCH MEでもENCROACHEDっぽく思えてしまう瞬間がありまして。これを個性とするや否やは、結構微妙なトコかなぁ、と。特に、最近はENCROACHEDがミッドな楽曲も導入するようにったので、ちょっと気になったかな、と。ともあれ、かなり良いバンドになってきたと思います。KOLA辺りと対バンしたら面白そうだなぁ。誰が喜ぶのか分かんないケドw。
 お次は、EVIL SCHOOLⅡ。

 以前、EVIL SCHOOLは観たコトがあるのですが「Ⅱ」のほうは編成も楽曲も違うので、事実上別バンドと考えて良いかも。編成は、voxが現在COSMIC NEUROSEでも活動しているデスロウさん、Gがワタゾウさん、DsがSPÅZM≠FLЁSHの方で、それとBという4人編成。EVIL SCHOOLはリズムマシーンを使っていたので、バンド編成という形態自体が新鮮でした。勿論、メンバー全員白塗り&目に隈取りメイク。
 以前観たEVIL SCHOOLの楽曲は結構陰鬱でムーディなものが多く、派手な動きも無く*3という独特の音像が織り成すサウンドが、かなり個性的。個人的には「Ⅱ」のほうが好みかも。 早く「Ⅱ」でも音源をリリースしていただきたいです。
 で、SPY MASTERの登場。

 この日は、ハットリさんがセッティングに苦しみまくり*4、かなり開始が遅れる。フロアにBGMでもかかってれば、まだプレッシャーも少なくて済んだのでしょうが、この日はBGMが一切無かったので、ハットリさんには相当なプレッシャーがかかってしまい、結局そのプレッシャーに耐えかねて、微妙に見切り発車でスタートさせてしまったのですが、これが完全に裏目に。一発目の新曲からいきなりミスを連発しまくりで、ガッタガタな演奏をやらかしてしまい、その後もしっくりこないセッティング&ミスによるプレッシャーなどのせいで精彩を欠くプレイが続き、なんともかんとも・・・。
 無論、随所で噛みあう部分もあったのですが、いつものSPY MASTERには程遠い内容に終始してしまい、個人的には不完全燃焼な感は否めず。とは言え、同情の余地はあるので、まぁしゃーないですかね・・・。次回のライブ以降は暫く間が空いてしまうので、そこではビシっとキメていただきたいものです。
 お次は、ようやくメンバーが揃ったNERVS。今回の出演陣の中で唯一未見&未聴のバンドだったのですが、なにやらメンツが凄い。前述したようにリズム隊はBREAKfAST*5だし、GはSTRRUGLE FOR PRIDEの方だそうで、voxの女性はNO DICKSというバンドの方。しかしてそのサウンドは、Fastcore一歩手前っつーか、ほぼFastcoreな速度でノイジーにかっ飛ばしまくる怒濤のThrashサウンド。なんつーか、所謂mangelなサウンドをUS風味に解釈したカンジっつーか。曲調も小賢しい展開を排したド直球な路線で、うるさくて最高。そんなバックに、けして感情を昂ぶらせることなく、粘っこく言葉を紡いでいく女性voxが乗るという、曰く形容し難いアンバランスなサウンドが、このバンドの持ち味。
 そして、トリにはSCREWITHINが登場。

 元々ラインナップに名が挙がっていたのですが、都合で一旦キャンセルに。ところが、なんとか調整がついたようで、最後にサプライズとして登場した次第。観るのは2年半ぶりくらいなんですが、その時とは比較にならないくらい初手から飛ばしまくりで、brutal且つノイジーなHCサウンドを叩きつけまくり。一切の叙情性を排したモノトーンで非情なサウンドが心地良い。所謂ノイズコアとは全完全に一線を画しているのですが、個人的にはこういうアプローチのほうが好み。演奏時間も短く、まさに怒濤としか言いようの無いライブでした。また観たい。
 終演後は、DIET CHEATやSPYの方々と話したり、いつもの面々で立ち話に興じてから、HTさん、Bさんと共に軽くメシを食い、終電で帰宅したのでした。全バンド好みだったし、粒揃いだったしで、楽しかったにゃー。

*1:NERVSの今のリズム隊はBREAKfASTのリズム隊なのねん

*2:実はワタクシと同い年であるコトが発覚w

*3:ちなみに、その時のvoxもデスロウさん)全体的にゴスな雰囲気が漂っていたのですが、Ⅱのほうは耽美なポージングとかはそのままに、しかし、かなり激しくデスロウさんがダンス風味なアクションをしまくりで、なかなかアグレッシヴ。そんなデスロウさんとは裏腹に、バックの面々は黙々と演奏しまくり。特にDsの方は無表情に煙草をふかしながらドラムを叩いてて、クールw。  楽曲のほうは、かなり完成度の高いギター・ロックで、微妙に遠藤遼一風味なデスロウさんのvoxと、ギター、ベース共に空間系のエフェクターを効果的に使いまくり((フェイザーかしら?

*4:ドラムがラック式だった上にアンプに挟まれていたので、調整し辛かったそうで

*5:ちなみに、Dsの陽さんはSCREWITHINでもドラムを叩いてたので、この日、実に3ステージをこなしたコトに。無論、最後までテンションもプレイも全く衰えを見せませんでした。すげー