2006秋サバトの記憶の2

 FxFxAxNの勝負方法は、全員でのジャンケン一発勝負。なんせ人数が9人なので、雌雄を決する以前に勝ち抜ける者が出るまでが大変なのですが、あいこが続く度、徐々に徐々に口数が減っていき、それと共に張り詰めていく場の空気の緊張感の心地良さは、何物にも代え難い代物でありますので、今回も古式ゆかしい作法に則り勝負開始。
 案の定、序盤はあいこが連続し、勝ち抜ける者は無し。3回めくらいまでは軽口も口を突いて出るのですが、それ以降は皆の表情から笑みが消え始め、いつしかシリアスな闘いへと発展。そんな均衡が崩れたのは、何度目のあいこの後だったろうか・・・。9人中6人が「パー」を出し、残る3人が「グー」。周囲の嬌声が、やけに遠く聞こえる・・・。そう、コトもあろうに、ワタクシは「グー」を出した一人だったのねん。他の敗者はSSさんとAKさん。
 ワタクシ、FxFxAxN主宰として、過去3戦負け無しという輝かしい実績を誇っておるのですが、4戦目にして初めて窮地に追い込まれまして。が、まだ負けたワケではありませぬ。FxFxAxNのジンクス*1を信じ、最後に勝ち抜けるコトを信じ、いざ尋常に勝負!
 ま た 負 け た orz
 ここでSSさんが勝ち抜け、なんと残ったのはワタクシとAKさんという、ある意味残るべくして残ったメンツw。この時点になると、もう心臓バクバク。いつもなら負け残った面々をニヤニヤと視姦してる側なのに、今は逆に見られてる側。生来のドM心の鎌首がもたげてくるのを必死に抑え込むワタクシ。相手が他の誰かなら、ワタクシが負けたほうが笑いに繋がるやもしれませぬが、こと相手が名誉顧問のAKさんであらせられる以上、御大に「四代目」の看板を背負わせたほうが盛り上がる事は必然。なれば、心を鬼にして勝負に徹せねばなるまい・・・。
 そんな悲壮な決意の下に臨んだ最後の勝負だったのですが、呆気なく一撃で勝負が決まる。結果は・・・ワタクシの勝利。勝った瞬間、思わずガッツ・ポーズが飛び出しましたが、敗れたはずのAKさんがまんざらでもない笑みを浮かべてるのを見てしまい、何故か敗北気分に苛まれるワタクシ・・・w。
 ともあれ、めでたくAKさんが四代目を襲名することと相成ったワケで、その興奮覚めやらぬうちにと、我々はいち早くメイドさんを呼び寄せ「恋人気分でふーふーあーん」セットをオーダー。程なくしてやってきたカレー皿がAKさんの前に置かれる。それと同時に、皆が一斉に撮影を開始。メイドさんが「メイドが映らないように撮ってくださいねー」などとのたまっておりましたが、こちとらハナっからメイドなんて眼中に無ぇんだよ!そんな戯言などガン無視して、AKさんの一挙手一投足を余すところ無く撮影すべく、ファインダー越しに視姦視姦。
 そんな周囲の異様なプレッシャーに呑まれたのか、微妙にぎこちない手さばきでカレーが掬われ、AKさんの口許へ。そして、はにかんだ笑みを浮かべながら、それを食すAKさんの姿に、世界中のxxxxが涙したとかしないとか。
 てなカンジで滞りなくAKさんの四代目襲名の儀が終わったところで、BRさんが離脱。それと入れ替わるようにHTさんとBさんが相次いで合流し、徐々に姦しくなってきたところに、N2さんから「秋葉原に向かって移動中」との連絡が入ったので、駅近辺で迎え撃つべく、Cos-Chaを出て、駅目指して移動移動・・・のはずが、何故かまたしても「とら」に寄ってしまいまして。だって、さっき合流したHTさんが「とらの本館に寄るか、俺を抱くか」という二択を皆に迫ってきたので、致し方なかったワケで・・・。
 そんなHTさんは、ホスト部のDVDを購入すべく本館へと消えていったのですが、既に買い物を済ませているワタクシたちは、ぼんやりととらの近辺で佇む以外の選択肢は無かったのですが、ここで魔人が動く。「ボク、ちょっと向こうに行ってきますわ」と言い残し、1号店の中へと消えていきました。どこまでも貪欲な御方・・・と感心しつつ、時刻の確認がてらにふとケータイに目をやりますと、謎の番号からの着信が短時間に連続して入ってまして。一瞬、ワン切りかと思ったのですが、冷静に考えるとN2さんからの連絡という可能性が高かったので連絡しようと思ったところに、見慣れたイケメン、N2さんが軽やかに登場。なんでも、ワタクシへの連絡がつかなかったけど、どうせ「とら」や「アニメイト」側の道を進んでいけば会えるだろう、との鋭すぎる目論見がずっぱまった模様。まさに慧眼。恐ろしい子!
 これでメンツは集結したので、いつでも呑みに行けるのですが、ITさんが一向に戻ってきやしないので、ワタクシが呼び戻しに「とら」へ潜入。とりあえず5Fから流していけば見つかるだろうと思い、エレベーターで5Fに上がってみましたら、案の定、レジで今まさに買わんとす、という状態のITさんを発見。で、近寄って声をかけてみたのですが、翌日開催でワタクシも帯同するコトになってる「コスカ」のカタログが見つからなかったそうで、若干「にょろーん」ってな御様子。まぁ開催前日の夕方だったんで、カタログを店頭から引き払っててもおかしくはないよなぁ・・・と、したり顔で頷こうとしたところ、レジの横に見覚えのあるジャケの冊子発見。それは、紛う事無き「コスカ」のカタログでして、ラス1の逸品。さっきまで

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{       リ| l.│ i|  に
         レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|  ょ
          ヽ|l ●   ●  | .|ノ│  ろ
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          | /⌒l,、 __, イァト |/ |  ん
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          | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

だったITさんの表情が、みるみる

        _,. -──=ニヽ、
         /レ'´       `ヽ、
        //● / , ,、 ヽ ヽヽ ト、
      /7O j_ノ_/ハHl、_j l lN
       〈7イ ´|/l/   `ヘノ} jrく)j
     r‐ヶハl  c⌒r─ォ⌒c,ハヽ〉  わはー
     Y//,ハ>、j>l、_ノ.イレ1l レ′
        \l l//` ` ̄´ j l レ'
         _>′r。~。ヽ レ'´
      (__ゝ、<COC< |
           \`^^´  l
              `ーr-、ノ
            し

ってなカンジに変化していきまして、ご満悦の御様子。善哉善哉。そんなITさんと共に1Fに降りてくるまでは良かったのですが、ここに大きな落とし穴が待ってまして。軽い足取りで店を後にしようとしたところ、ふと目をやった平積みの陳列台に「たたかえ!たらんてら」の新刊が並んでるじゃありませんか!さらに真島悦也さんの新刊「みらいのあったかカップ」も発見いてしまい、もう制御不能。その場で180度回頭し、無言のまま各単行本を握り締め、レジの待機列の最後尾に並ぶワタクシ。この瞬間、まさにミイラ捕りがミイラになったワケですが、欲しい本のためならミイラにでもなんでもなるっつー話ですよ?
 ちょっと話は脱線しますが、ワタクシは高校時代、欲しい新刊の発売日は、常に昼休みからの登校でございました。何故かというと、本屋の開店と同時*2に新刊を購入する為だったりしたワケで。ワタクシと同世代の地方都市在住経験者ならお分かりいただけるでしょうが、地方都市の一般の書店には、ちょっとマニアックな単行本なんて入っても1冊、最悪入荷無しっていうのがデフォでして、その僅かなパイを巡る争いは熾烈を極めるのですよ。だもんで、確実に欲しい本をゲットする為には、開店と同時に襲撃するのが一番確実なワケで。今にして思えば、普通に本屋で予約しておけば良いじゃん!って気もしますが、当時はそんな発想は微塵も思い浮かばなかったなぁ・・・w。
 「10時に買い物が終わるんなら、3限辺りから登校出来そうじゃん」というツッコミがあるかと思いますが、コトはそう単純な話じゃないのですよ。前述したように、店によって入荷するかしないか不明な単行本が多いので、買い物が一軒の本屋で終わるコトなんて、まずありえない。2軒目、3軒目と補完し続けて、ようやく欲しい本を全て入手するコトが可能になるのですよ?当時のワタクシは市内の十数軒の本屋やスーパーをハシゴして、必死に単行本を買い漁ったものです。チャリでの移動距離が累計で20キロを超えるコトも珍しくありませんでした。そんだけ動き回ってたら、そりゃー登校が昼にもなるわさw。
 閑話休題
 今でこそ当時のような情熱は薄れましたが、それでも瞬間的に当時の執念が甦る瞬間がままありまして、この日もそんな瞬間を迎えてしまったワケで・・・。レジで会計を済ませ、ふと我に返ったのですが、後の祭り。皆の目を見ないようにしれっとした顔で輪に戻ったのですが、当然のように周囲から猛烈にツっこまれました。スマヌスマヌ。
 てな具合に、すったもんだもありましたが、ようやく居酒屋に向けて移動再開。道中、N2さんやHTさんらと共に地味メロディック話に花が咲く。COOPERやDOGS ON ICEで盛り上がれる人が身近にいるって素晴らしい。そんな話に夢中になってましたら、あっという間に目的地である「甘太郎」に到着したのでした。ここが、数時間後に阿鼻叫喚の地獄絵図と化すことになろうとは、このときには思いも寄らなかったワケで・・・。

*1:初参加者が負ける

*2:ウチの地方ではAM10時