■
- 酸欠集「グレーテルさん気をつけて」
さんずいさんトコの久々の新刊は、赤ずきん本。久しぶりの作品なだけに、今までの鬱憤を晴らすかのようなポップでキュートでgore grind風味なテイストに仕上がってまして、待った甲斐があったというもの。
草太らに囚われたグレーテルの話なのですが、ほのぼのとしたイントロとは裏腹に、のっけからグレーテルはダルマ状態。囚われた際の戦闘で四肢を欠損したという設定*1で、その際の描写なんかもちょっと挿しこまれており、さんずいさんの面目躍如な陰惨っぷりが眩い。しかも、その切断された四肢はシチューの具にされてしまったという、カニバリズムなネタなんかも軽やかに仕込まれてまして、清々しいまでの鬼畜っぷりを披露。
今回の作品では、基本的にグレーテルとりんご以外は皆ぶっ壊れてるのですが、なかでも草太が突き抜けてます。無邪気で悪意は無いんだけど、やってるコトは鬼畜という最狂キャラ。なんせ超絶倫な上にヴァルさえも手篭めにしてしまうという、性別はおろか種族さえも気にしないという懐の深さをマスにアピール。さすがにBL風味な獣姦シーンの直接的な描写はありませんが*2。
こうやって要素だけ取り上げてると、どんだけ鬼畜なんだって話になるのですが、そういった陰惨なエッセンスを、軽やかにコミカルに、しかしきっちりと毒を込めて描いてしまえるのが、さんずいさんの魅力。なんつーか、あさりよしとおさんとかに通ずるテイスト*3な気が。
結構エグいっちゃエグいんですが、マンガ読みの方には是非チェックしていただきたい作家さんでございます。
HP>http://ikebukuro.cool.ne.jp/ulusura/
ex.>id:PIG-M:20030913、id:PIG-M:20030928、id:PIG-M:20040227、id:PIG-M:20040407、id:PIG-M:20040627、id:PIG-M:20040906、id:PIG-M:20050906