8/12の記憶

 夏コミ二日目でございましたが、甲冑娘以外に興味のあるサークルも無かったし、前日のダメージがデカかったせいもあり、ビッグサイト行きは止め、休養に宛てるコトにしてたので、珍しく9時過ぎまで泥の様に眠り続ける。おかげで体力はかなり回復。靴擦れやら筋肉痛やらで満身創痍なITさんと違い、ワタクシは単に疲労が蓄積していただけだったので、体調はすこぶる良好。新聞回収がてら階下に降りると、まだITさんは淫夢の中。自らの触手で魔法少女を蹂躙し、悦に入ってるであろう妄想から現実に引き戻すのも気が引けたので、そのまま放置し、自室に戻ってくつろぐ。
 暫し後、不本意ながらもITさんが現実世界に復帰されたので、昨日の感想とかを語らいつつ、明日の計画を本格的に練り始める。コミケ=三日目と言っても過言ではない我々にとって、明日は運命の日。初日の任務を無事にこなしたとはいえ、まだまだITさんはズブの素人に触手毛が生えた程度の新兵。圧倒的に実戦経験が不足している上に、基礎知識も欠けている。経験は致し方が無いにしても、知識に関してはまだまだ補う余地があるので、ワタクシが培ってきた経験則やノウハウを、一から仕込む。特に、初動に関する知識は重点的に教え込む。
 ひとしきりレクチャーを済ませたところで、お互いのマップを確認しあい、行き先がかぶるサークルを確認。ワタクシのチェックしたサークルは、先だって某所で公開していたので、先にITさんのマップを見せてもらったのですが・・・え?なに、このピンクとイエローのチェックまみれのマップ・・・。しかも、マップにはサークル名等の記載が無く、代わりに「a」か「b」かが記されているという、なんとも理解に苦しむ記述法。その真意を尋ねてみたのですが、チェックしたマーカーの色は、それぞれ自分が行きたいサークルと、ワタクシが公開したサークルに対応してる、とのコト。で、マップにチェックを入れてあるので「a」か「b」かを記載しておけば、サークル名が分からなくとも現場で判別出来るだろう、とのコト。
 一応一理ありますが、実際には机上の空論以外の何物でもない。そのことをやんわりと諭しながら、サークル名をキチンと書かせていく。でもって、さすがに全部回れるとは思えないので、サークルの絞込み作業に移行。基本中の基本である、ショップに委託サークルから除外していこうと思ったのですが、当然初心者のITさんは、そういう作業をしていなかったので、ネットで検索をかけつつチェック開始。メロン専売とかのサークルもありますが、基本はとらですんで、とらの通販サイトでの履歴を含めた検索とサークルのHPの検索を平行して行い、効率化を図ったものの、存外に時間を食いまして、全ての作業がひと段落ついたのが、15時前。
 気が付けば、外では雷鳴が轟いてたり、土砂降りが降ったり止んだりと、どうにも荒れ模様風味。そんな中、地方から上京してきてる友人に会いに、新宿に向かう。ここんとこ、ちと疎遠気味ではありましたが、ちょっとだけも立ち話が出来たので、良かった良かった。
 返す刀で、聖蹟桜ヶ丘に移動し、ELさんと合流。まずは用事を済ませ、その後は駅前のスタバで談笑。実はワタクシ、スタバ初体験だったり。サイズの表記がS、M、Lじゃないという分かりにくさや、店内の客層の小洒落た雰囲気を堪能し、もはや二度と足を踏み入れることなど無いであろうコトを確信。そんなカンジで軽くやさぐれつつ、店内の一角に陣取る。隣の席には、いかにも「長時間いますが何か?」的にくつろぎまくったOLらしき女性の姿が。
 が、そんな大人の女など眼中に無いITさんは、初対面のELさんといきなり魔法少女/触手トークを展開。一方のELさんも剛の者なので、ワタクシが貸したカタログをドカっとテーブルに広げ、自分の嗜好を事細かに説明しだす有様。
「生まれ変わるなら触手になりたい」
「彼氏と別れ、角を曲がった途端に触手に襲われ凌辱されるシチュに萌える」
 等という、およそスタバに似つかわしくないドス黒い情念が周囲に渦巻き始め、僅か5分ほどで前述したOLが逃げるように退席。その様を見て、独り暗く悦に入るワタクシ。ククッ・・・無様に遁走するがいいさ・・・。
 そんなワタクシの妄想などそっちのけで、ITさんとELさんの会話はヒートアップしまくり。たった二人でこのパワーなのに、明日のサバトはこれの8〜9倍・・・。際限なくげんなりしてきたし、明日は4時起きというコトも相まって、ちと早いですが20時過ぎにお開きに。家で食事を作るのも面倒だったんで、夕飯は外食で済ませ、早々に帰宅。ワタクシは風呂掃除とかの家事をこなし、ITさんは徹夜カラオケからそのまま帰路に着かれるので、荷物をまとめる。バタバタと慌ただしく準備を済ませ、結局床についたのは零時過ぎ。様々なトラブルもありましたが、どうにか決戦に向けてのメドは立ったのでした。
 そして、長い長い一日が始まる。