8/4 "Damo Suzuki's Network"@小岩eM SEVEN / nemo / Damo Suzuki with Ken Mstsutani & Hayato Nobuoka & Eno & Morihide Sawada / Damo Suzuki with SUSPIRIA

SUSPIRIA

 つーワケで、昨日はダモ鈴木 with SUSPIRIAを観に行ってきました。ワタクシ、別に熱心なCANのファンでは無いのですが、ダモ鈴木氏のフットワークの軽い活動スタイルには以前から興味があったし、ライブを観た人からは好意的な意見しか耳にしてなかったので、じゃあ一度観てみようか、と思いまして。
 折しも昨日は「とらのあな」の新店舗の開店記念日だったので、ちと早めに出かけて色々貰っちゃおうかと思っていたのですが、余りの炎天下っぷりに、あえなく心が折れまして、家でまったりモード。でも、散髪だけはしときたかったので、多少早めに家を出まして、地元の駅にある¥1000の床屋に寄ってみたのですが、ここが混んでおりまして・・・。確実に30分以上かかりそうな気配だったので、散髪を諦めたは良いのですが、このまま小岩に向かったのでは、なんぼなんでも早く到着しすぎてしまう・・・。どうやって若干の時間を潰そうかと思案してると、はたとある事実を思い出しまして。
 そういえば、eM SEVENに至る道中に、¥1000の床屋があったはず。
 ダメ元で、そこに立ち寄ってみようと思いまして、そそくさと電車に飛び乗り、一路新宿へ。が、飛び乗った車内が、時間帯のわりには結構混みあってまして。その時は、「まぁこんなコトもあるか」ぐらいに思ってたのですが、新宿で中央線快速の乗ろうとしたところ、ラッシュアワーばりにホームが混みあってまして、本格的にいぶかしみだすも、これといった心当たりが思い浮かばない・・・。
 そのまま御茶ノ水総武線に乗り換えようとしたのですが・・・あら?今ってラッシュアワーだったかしら?と我が目を疑いたくなるような満員電車っぷりに唖然呆然・・・。押し合い圧し合い状態の車内の会話に聞き耳を立てると、どうも江戸川で花火大会がある模様。どうりで浴衣着てる客が多いわけだ。
 と、理由が分かったまでは良かったのですが、だからといって現状が改善されるはずもなく、小岩に着くまですし詰め状態が続きまして・・・。ようやく小岩に到着し、「解放されたー!」と思いきや、大挙して人が降り、またしてもホーム&改札は混乱w。後でHTさんに聞いて知ったのですが、小岩と市川が最寄り駅だっら模様。そりゃー混むわな。
 ほうほうの体で改札を抜け、ほっと一息。その足で、件の床屋に向かう。店内をちょろっと覗いてみると、あんま混んでないみたいだったんで、入店。散髪台は3台あり、そのうちの2台が稼動中=理容師さんは2名。理容師さんはTシャツ&短パンというラフなスタイルで、お客さんに気軽に話しかけており、非常に気さくで好感が持てまして。
 そんな印象は、ワタクシの番になっても変わらぬどころか、ますます好印象。和気藹々と談笑しつつ、あっという間に3㍉の坊主頭が完成。うーむ、サッパリして心地良い。しっかし、今となってはワタクシがかつてロン毛のキモオタだったとは、誰も思うまいて。ちなみに、その時のルックスは、BURNING SPIRITSのDVDの、FORWARDのパートで観るコトが出来ますw。それはさておき、非常に心地良く散髪してもらえたので、次回もココを使おう。
 こざっぱりとしたところで、eM SEVENに向かう。まだ開場前だったので、階下のDISCOに赴き、ヤスさんと談笑しつつ、ついついあれこれ買っちゃったり。そうこうしてるうちに開演時間が近づいてきたので、eM SEVENに上がろうと思ったら、階段でHTさんに出くわしまして、またまた話し込んでしまいまして、気がつけば金属質な轟音が鳴り響いてきたので、慌ててチケットを購入しフロアに入ると、まさにnemoのステージが始まろうとするトコでして。
 つい先日も観たばっかでしたが、その時とは若干異なるサウンドで、懐の深さを垣間見た思い。この日のステージはインスト成分が若干高めで、先日の@GOODMANのときよか、手堅くまとまってた印象。無論キレキレではあるのですが、カオティック一歩手前できっちりとコントロールされてたっつーか。この日はドラムが絶好調な印象で、かなりパワフルなドラミングを披露。その分、弦楽器隊が若干大人しめだったかもしれませんが、たまにはコントロールされたサウンドもまた一興かと。
 お次はダモ鈴木氏の1回目のセッション。G、G&syn、B&Syn、Ds、ダモ鈴木氏という編成で、シンセは2台ともアナログ・シンセでした。初めてナマで観るダモ鈴木氏は、どこか世捨て人のような風情漂う風貌で、飄々とした中にも凄味が見え隠れしてるっつーか。
 ステージは、スペーシーなプログレ風味でスタート。そこに載るダモ鈴木氏の歌声は、驚くほど深みがあり艶やか。しかも、殆ど休むことなく常に歌い続けてまして*1ビックリ。あれを即興でやってるっていうんだから、恐れ入る。
 2曲目からは、BLACK SABBATH辺りを彷彿とさせる、粘っこいstoner風味なハードロック・サウンドへとシフトしたのですが、ここでバックの欠点に気がつく。バックの面々は無論テクニカルでタイトではあるのですが、Gの人*2以外の面々の演奏には、欠片も色気が無いのですよ。「間」とか「タメ」っていう概念が欠落してるので、ミッドテンポ以下の演奏になると、途端につまらなくなるのねん・・・。そんな演奏でstoner風味な曲を演られても、ただただ退屈。ダモ鈴木氏の歌声とGの人のタメを効かせた演奏に多少救われはしましたが、リズム隊が平板なんで、焼け石に水っつーか。なまじ音色自体は良いだけに*3、余計気になりまして。だもんで、テンションガタ落ち。結局、どっちかっつーとハードロック色強めの演奏が1時間に渡って続きましたが、個人的には微妙な印象。演奏があんま面白くなかったんで、かなり長く感じましたよ・・・。期待してただけに、どうにも肩透かしな印象は否めず。が、お次はSUSPIRIAとのセッションなんで、まだ望みはある。
 SUSPIRIAは、vox&エフェクター、エレキのコントラバス、シンセ、Dsという異色な編成。voxの人のエフェクターは、テレコ×2をイコライザーと簡易のミキサーっぽいものを経由して、多分ディレイかピッチシフター*4に繋げてました。テレコにはカセットテープを入れ、それを再生させると軽めのノイズが鳴るってな寸法。妙な手法に感心しちゃいましたよ。
 して、ステージ序盤は静かな立ち上がりだったのですが、バンドの醸し出す緊張感が段違いなので、息をもつかせぬ濃密さ。まず、異常なまでにタイト且つパワフルなドラミングに度肝を抜かれる。タイト云々っていうだけでも驚異的なのに、その上一音一音が驚くほどソリッドで、小気味良いことこの上なし。このドラムはクセになるなぁ。しかも、演奏してる姿も熱く、時折立ち上がりながらスティックを振り下ろしたりしてまして、まさに目の覚めるような演奏っぷりを披露し、サウンドを牽引。事前にHTさんから「ドラムが凄いですよ」と聞いてはいたものの、想像以上でございました。OUT OF TOUCHのTシャツも眩かったしねw。
 ベースはスラップじゃないんですが、殆ど引っぱたくように激しく弦を叩きつけ、実に音数が多い。いわゆるテクニカルなフレーズを紡いでいるワケじゃないのですが、そのつんのめるような疾走感が心地良い。かと思えば、要所要所で弓を使って演奏したりして、勢い任せのプレイのみじゃないトコをマスにアピール。ちと機材トラブルが多かったのが残念ではありましたが、そのポテンシャルの高さは垣間見えたかと。
 シンセは、流麗なフレーズを紡ぐのではなく、結構リフレインが主体。ともすればドラム以上にリズムをキープする役回りが多く、影の功労者w。音色が独特で、直接的には似てないんだけど、なんとなくAUTECHREを想起させられたり。
 voxは、リズミカルに合いの手を入れたり、朗々と歌い上げたり、叫んだりと変幻自在。さらにオーケストラで言うところの指揮者のような役割も担っており、随所でバックに指示を出したりしてたのが印象的。また、興が乗ってくるとしなやかに躍動しまくり、ひたすら「静」を体現し続けるダモ鈴木氏との対比も面白かったり。ただ、エフェクターのほうがあんま調子が宜しくないようで、それを操作してるときだけ、ちと表情が固かったのが印象的。
 そんな充実のバックを従えても、ダモ鈴木氏は目を閉じ、一心に歌い続けるのみ。その超然たる態度は、神々しくすらある。最初のセットよりも目立たないですが、最初のセットよりも圧倒的に即興性が強く、比較にならないほど攻撃的なサウンドであるにも関わらず、そんなサウンドにすら自分のスタイルを保ったまま、しかりと絡み合えるという驚異的な順応性を見せ付けてくれまして、ダモ鈴木氏の底知れぬ凄味をイヤというほど味わされましたよ。
 緩急を織り交ぜ、時にトライバルな展開なんかも差し込みつつ、40分以上演奏が続き、いよいよクライマックスを迎えまして。徐々に徐々にドラムのテンポが上がっていき、やがて超タイトなD-Beatへと雪崩れ込み、一気にフロアも盛り上がる。Fastcore一歩手前なまでに加速したD-Beatがひたすらキープされ、そこに流暢なコントラバスのリフが絡み、シンセの妙な音色が彩りを添え、エフェクターが高周波な線の細いハーシュ・ノイズ*5の悲鳴を上げる。そこにダモ鈴木氏の深い歌声とSUSPIRIAのvoxの咆哮が木霊するんだから、もうガマン出来ないw!とばかりに客の一人がダイブを敢行し、HTさんがそれに呼応して大暴れ。で、ワタクシはそのアオリを喰らってステージに倒れこみ、vovの方の機材を乗せた椅子を見事に粉砕。あははーやっちゃったーwww。最早笑うしかないので、そのままフロアに雪崩れ込んでモッシュして誤魔化してみたり*6。voxの方も即座に機材の修復を諦め、機材を乗せていた椅子をフロアに持ち込み、それに客を座らせてグルグル回すという奇行に走り、それに反応した客の熱狂的な歓声と共に、フロアは沸点を迎える。結局、10分近くに渡ってトランス・ハードコア状態がキープされ、燃え尽きるように終焉。
 いやもうラスト10分のカオティックっぷりは、筆舌に尽くし難いものがありました。あそこまでカッコ良い音には、なかなか出会えませぬ。ベースを筆頭に、かなり機材トラブルに見舞われて、けしてベストコンディションとはいえない状態でのライブでしたが、そういったアクシデントを差っ引いても、なお余りある興奮を与えてくれた、素晴らしいライブでございました。ダモ鈴木氏、そしてSUSPIRIA・・・恐ろしい子
 終演後は、珍しく呑みに行かないHTさんと共にそそくさと撤収したのですが、なんとこの花火大会帰りの客が、まだまだわんさか残ってやがりまして、小岩駅は大混雑。駅員さんがフロアでメガホン片手に整理してるんだから、推して知るべし。当然電車内もぎゅうぎゅうで、体力と精神力がグイグイ奪われていきますよ?
 駄菓子菓子、それも新宿までの辛抱・・・と思いきや、京王線新宿駅が、これまた平日の終電ばりな混みっぷり。しかも、混雑のため電車が5分くらい遅延してるというオマケつき。なんぼなんでも花火客の影響だけとは考えにくい・・・と思ってたら、その真相が車内で明らかに。なんと、この混雑の元凶は、味スタで開催された氷室京介GLAYのコンサートだった模様。コンサートの存在は知ってましたが、あれって味スタでやってたのか・・・。おかげで、行きも帰りも満員電車に揺られるという、どうにも冴えない幕切れと相成ったのでした。どっとはらい

*1:一切叫んだりせず、常に「歌ってる」っていうのが凄い

*2:長髪

*3:ベースとか良い出音だったんだけどなぁ・・・

*4:エフェクターの上にセッティングのメモが貼ってあって、本体の確認は出来ず

*5:往年のHARD CORE DUDEばりっつーかw

*6:終演後侘びを入れたら、笑って赦してくださいましたが・・・ホント申し訳なかったです