7/10 "New Stream from the WALL"@初台WALL/STOOPS/BRING ARROW/半身不随/獣-BEAST-/VOMITUK/VAV

 VOMITUKが一旦活動を休止するとの報を受け、その勇姿を目蓋に焼き付けるべく、初台に行って参りました。
 その日は特に買い物も無かったので、初台に直行。18時過ぎにWALLに到着。入り口付近に見知った顔が無かったので、とっとと入場。フロアに入ると、KNさんがお出迎え。ここんとこeM SEVENに行ってなかったんで、結構ご無沙汰。近況と音楽の話に花を咲かせる。
 そうこうしてるうちに、トップのSTOOPS登場。G&vox、B&vox、Dsのトリオ。未見&未聴のバンド。メンバーの出で立ちが、システマのTシャツにパッチだらけのズボンってなカンジだったんで、なんか普通のノイズコアかにゃーと思ったら、場内にアイドルポップ風味*1な曲が鳴り響きまして、目が点。KNさんの「最近、こういうの多いですよね」という冷静なツッコミに、何故か痛むワタクシのココロw。
 そんなBGMの後、スタート。あー、やっぱノイズコアか。エフェクトを多用したノイジーなベースの音色が心地良い・・・とか思ってたのですが、聴いてるうちに、なんか違和感が・・・?よくよく聴いてみると、出音こそノイジーなのですが、楽曲は所謂ノイズコアのそれではなく、意外とキャッチーなUSHC風味。そういえば、ドラムもバタバタしまくってるケド、D-Beatとかじゃないしなぁ。微妙にファニーなテイストも感じられて、なんつーか、ノイズコア化したF.O.DやA.O.D風味?
 かと思えば、voxのスタイルなんかはジャップコアのそれに近く、なんとも奇妙なバランスのサウンドを展開。さらには、マーチング風なビートや、祭囃子風味な展開から一気にファストコア一歩手前な速度に雪崩れ込むという強引な楽曲なんかもありまして、なんかもうおバカさんなんだけど憎めないし、なにより普通にカッコ良いから始末が悪いw。さらには、ヒネた展開*2のミッドな曲なんかも織り込んできまして、懐の深さをマスにアピール。
 と、こう書くとなにやらハイセンスなバンドのように思われるかもしれませんが、こういったサウンドを、かなりギリギリな演奏力でぶっ放してるので、整合感は皆無に等しいし、無意味にスリリングに聴こえてしまうというw。
 とにかく、なかなかオリジナリティの感じられるサウンドが、結構新鮮でしたねー。まだデモとかも無いそうなんですが、今後が楽しみな存在です。でも、これ以上洗練されちゃうと、微妙につまんなくなっちゃうかもしれないんで、微妙に不安も禁じ得ませんがw。
 二番手は、BRING ARROW。G&vox、B、Dsという編成。これまた未見&未聴。ギターの方の出で立ちが、坊主、袖をカットオフしたツナギ、サンダル、そして和彫りという、どっからどう見てもジャップコアなルックスだったので、用意に音の想像はついたのですが、その足元にはBOSSのGT-6が・・・。オーセンティックなHCで、こういうマルチを使う人って多くはないので、ちと興味が湧く。
 して、そのサウンドはと言えば、ロッキン成分多めのJapanese Hardcore Punk。FORWARDとかに近いものがありますが、もっとしなやかで、MOTORHEAD的なエッセンスも感じられたり。楽曲のクオリティは高く、ロッキンなHCが好きな方なら、間違い無く琴線に触れるコト請け合い。
 駄菓子菓子・・・リズム隊が弱い。ベースはまずまずですが、ドラムはちょっと・・・。演奏するのに手一杯で、感情が伴っておらず、パワーにもタイトさにも欠けるというカンジで、いささか見劣りすると言わざるを得ません。つーか、G&voxの方の能力が突出し過ぎてるんで、その力量に見合うメンバーを探すのは大変そうだ・・・。でも、そんなメンバーが揃った暁には、間違いなく一線級のバンドとなることでしょう。ジャップコアが好きな方は、楽曲だけでもいいからチェックして欲しいですねー。
 三番手は半身不随。vox、G、B、Dsという編成。のっけからBの方のテンションが良いカンジでして、スタートしてからも暴れまくりで、ストラップは外れるは、音は出なくなるわでプチ惨事w。途中、直しに来たWALLの女性スタッフに抱きつくというセクハラも披露。ご丁寧に、一度抱きついた後、楽器を置いてから再度抱きつくという念の入れようw。
 序盤はそんなカンジで、演奏云々よか、その激しいアクションに釘付けに。無論、ベースだけでなく、voxも絶叫しまくりで応戦してるし、ドラムは奇天烈なルックス*3とは裏腹にパワフル。しかも、シンバルやタムが倒れても、それを華麗にスルーして演奏し続ける*4というメンタルの強さを披露w。そんな中、女性のGの方が、ステージに残された唯一の良心的な輝きを放っていたのが印象的。
 結構straight forwardな曲調で、それをfastcore一歩手前な速度でぶっ放すスタイルなので、狂乱のステージングが良く映える。途中、voxはダイブ風味にフロアに飛び込むわ、ベースの人はシールドぶん回しながらシンバルをシバいたり、モニターに仰向けに寝そべり、一人バックドロップよろしく、フロアに後頭部から落っこちたりして、もう何がなんだかw。ドラムの人なんて、立って叩いてるしーw。
 いやもうなかなかの阿鼻叫喚っぷりでしたが、あったま悪くてカッコ良かったなーw。
四番手は獣-BEAST-。vox、G、B、Dsの4人組。voxの方の柄シャツルックから、そのサウンドが容易に想像つきましたが、蓋を開けてみたら、やっぱ大正解w。ジャップコアに、後期POISON IDEAのフレーヴァーを効かせたような、ドライブするハードコア・パンク・サウンドが痛快。
 voxが客を煽るのが上手く、客を扇動しながらフロアのテンションを高めていく。ギターは、ロッキンなフレーズっつーよか、ちとノイジーでヒステリックなソロを弾くタイプ。そのせいもあってか、微妙にカラっとした乾いたテイストも感じられ、そこら辺がティピカルなジャップコア勢と一線を画すトコかなぁ、とか。なかなかカッコ良かったです。
 お次がVOMITUK。今回はゲストにSHOUT MOSKVAのキクリンさんを迎え、vox、G、Syn、Dsという編成。ノモトさんが後日ツっこんでましたが、図らずも初期SUSPIRIA編成だったりw。キクリンさんは、ストラップ付のシンセと、台座に載せるタイプのシンセの2台を駆使する模様。
 例によって、各自音出ししながら、そのまま雪崩れ込んでいくのかと思いきや、何故か一瞬止めて、そこから再始動してのスタートでした。理由は不明ですが、ちと気になったり。
 この日は、結構出音が整理されてまして、妙に聴き易かった気が。それは、キクリンさんに拠るところが大きかったかな、と。キクリンさんのシンセのプレイスタイルは、飛び道具的&SE的な手法ではなく、きっちりと音を紡いでいくスタイル。ベースラインをシンセでフォローしてたので、曲の輪郭が鮮明化してました。で、ノモトさんがハッキリとリフを弾いてるときは、ケータイ型のシンセを持って大暴れ。ちょっと目を離すと、直ぐすっ転んで姿が見えなくなるというw。
 で、ノモトさんも、この日はテンション高め。のっけからギターを持ち上げ、天井に擦り付けるというマーキングを敢行(違。音は、いつもに比べると轟音成分控え目だったんですが、その差分は狂気でカバーってカンジで、結構動きまくりで痙攣しまくり。最近弦楽器メインで活動してるんで、往年の野性を取り戻したのでしょうかw。
 ハットリさんも、いつにも増してパワフルなD-Beatを叩きまくり。VOMITの場合は直球なビートが多いんで、のべつ幕無しに加速しまくってるカンジ。とは言え、曲のイントロ部分でのプレイとかが、普通のHC系のDsとかとは違うので、それが上手くアクセントとして機能してるのよね。ホント、ドラム叩いてるとカッコ良いんだけどねぇ・・・w。
 そしてカキヌマさんは、今日も今日とて絶好調。歌詞以外にも、終始何かを叫びつつ、ステージとフロアを行ったり来たりっつーか、基本はフロアw。その絶叫っぷりは壮絶極まりないのですが、以前よりも己の中の獣を飼い馴らしてるというか、コントロールする術を見つけたのかしら?以前は、己がテンションをコントロール出来てない瞬間も散見できたのですが、今は、狂気はそのままに、でも空回らず、それをキッチリと表現へと昇華させていたような印象。
 それらのサウンドが時に絡み合い、時に対峙しあいながら、巨大なうねりとなって襲い掛かってくる様は、VOMITUKならではの醍醐味。個人的には、もっと爆音でも好かったけど、きっちり聴いて楽しむ分にはベストな音量だったかも?
 ラストは、カキヌマさん、ハットリさん、キクリンさんと消えていき、独りノモトさんがギターのフィードバック・ノイズ&エフェクターを弄って轟音を垂れ流して終了という、お約束な終焉w。これで一旦活動休止は勿体無いなぁ・・・。
 トリは、VAV。5月に取手で観て以来、気に入っているバンド。vox、G、G、B、Dsの5人編成で、全員女性。ちなみに、この日は何故かBの方がピンクっつーかヴァイオレットっつーかってな色のタイガーマスクのマスクを着用されてました。Dsの方は相変わらず白塗りメイク*5だしってカンジで、濃いリズム隊だことw。
 が、演奏が始まると、そんな瑣末なコトは吹っ飛ぶ。序盤は屈折した楽曲を並べ、ちと変化球気味。この日のラインナップが比較的直球だっただけに、余計に効果的。ちと演奏に集中し過ぎて、情念が滲み出てなかった感は否めませんが、そこはvoxの方がカバー。
 そんな緊張感のあるパフォーマンスとは裏腹に、例によってベースの方のほのぼのMCで脱力w。キュートな声でカンペを読みつつ、朴訥とした雰囲気&口調で喋ってまして、良い味出してるな、と*6。そんなMCにメンバーもリラックスしたのか、それ以降は演奏にも熱がこもり、スパーク。特に、ラストの畳み掛けるようなstraight forwardな楽曲の連射は、愉快痛快。小気味良いステージを堪能させていただきました。女性バンドにありがちな、ヒステリックなテンションとは無縁なおかげで、女性云々っていうのが全く気にならないバンドです。素直にカッコ良いな、と。
 終演後、ダラダラとくっちゃべってから、早めに撤収。なんせ、VOMITのメンバーの疲弊っぷりがハンパなかったので、メシを食いたい気持ちを抑え、駅でお別れ。残念ながら、HTさんのミラクルな出会いイベントは、又の機会に持ち越しと相成ってしまいまして・・・(´・ω・`)
 ちなみに、終演後、フロアで喋ってる時に、
「今日はナンパされたらついて行きますよね?」
と振ったところ、
「あー・・・今日、平日ですし・・・」
という煮え切らないにも程がある返事を返してくれたコトを、ココにご報告申し上げます。
 ま、今更、HTさんに女性の話題を振るのは、ヤボってモンかもしれませんな。

*1:もしかしたら声優〜オタ系かもしんない

*2:初期のELEVATIONとかにも通ずるモノが

*3:BBクイーンズ時代の近藤房之助っつーかw

*4:何故かスタッフも長い時間放置してたなぁw

*5:着てたTシャツは、多分ダイナマイト四国T

*6:無論、タイガーマスクのマスクを着用したままですよw?