• 千本ノック座談会「誰がためにハめアナル」
  • 千本ノック座談会「いま、かけにいきます」コピー誌

 エロソングさんトコの新刊は、オリジナルのオフセと、「どれみ」のあいこっちのコピー誌の2種。「誰がために〜」は、以前リリースした「世界に一つだけの穴」と同じ舞台設定でして、前作の主人公たちの友人のカップルのお話。
 前作同様、今作も幼馴染という設定ですが、今回は腐女子とイケメンというカップリング。自分が腐女子であるコトを引け目に感じ、幼馴染のモーションにも気がつかない、という良いカンジの味付けがなされてます。
 で、件の前作のカップルに触発されたイケメンが告白し、一気に事へと雪崩れ込んでいくのですか、要所要所でスラップスティック感溢るるコミカルなテイストを挿し込んでまして、それが上手く機能してます。どちらのキャラもアッパーなノリなんで*1 、なんつーかUP FRONTばりの熱血&疾走感っつーかw。
 そして、エロ・シーンに関してなのですが、前作ではストーリーの面白さがエロをスポイルしてしまった、という皮肉な事態に陥ってしまっていたのですが、今作は前述したように疾走感に満ち溢れてるんで、エロにもそれが反映されてます。腐女子のコが持ってた「やおい本」で知識を身につけたイケメンが、初手からアナルを責めていくというw展開は笑えるんですが、ねちっこい描写と表情の妙、そして微妙に汁気過多な作画により、エロいエロい。エロ・シーンでも笑えるシーンを効果的に挿し込み、ブレイクダウンを効かせつつ、再度加速していく展開のおかげで、結構尺があるにも関わらず、しっかりとエロで圧し切ってくれます。最後はきっちりコミカルに落としてくれてるんですが、さらにエピローグ的なエピソードがラストに用意されてまして、これがもう号泣emoテイスト全開でして、これを呼んだ後、もう一度物語を最初から読み返すと、味わい深さも倍増です。実に心憎い演出ですな。
 今作は「抜き」重視の作品であった前作のリベンジ、というテーマが掲げられていたのですが、そのリベンジは見事に達せられたと思います。従来のエロソングさんの魅力であった「マンガ」作品としての面白さを損なわずに、キッチリとエロく仕上げてきてまして、感服しきりですよ。それと、相変わらず結構実験的な手法を試みてるトコも高ポイント。オノマトピアの表現とか*2。セリフの魅せ方も凝ってまして、スタッカート的にセリフを細かく区切ったり、徐々に盛り上がっていく感覚を表現するのに、同じセンテンスを一文字ずつ増やしながら書いていったり、とか。例えば、「こんなの」だったら、
「こ」
「こん」
「こんな」
「こんなの」
みたいなカンジ。それも、「昇り」と「降り」を使い分けてたりして、実に芸が細かいなぁ、と。
 このシリーズは魅力的なんで、続編がリリースされるコトを期待したいですね。当然大推薦。
 コピー誌の方は、あいこっちの微妙に不条理さをカンジさせるエロマンガ。「くりぃむレモン」とか「くりぃむしちゅー」の小ネタとかが散りばめれてる冒頭なのですが、大ネタ*3の有無が分からん・・・。ともあれ、そんなイマイチ分かりにくいイントロから、濃厚なフェラ〜バック〜膣内射精という展開で駆け抜けていくワケで。こちらもエロに特化してる、と言っても差し支えは無いでしょう。オフセの面白さとは比べるべくもないですが、エロソングさんのポリティカルなテキストなんかも楽しめるし、コピー誌としては充分機能してるかと。
ex.>id:PIG-M:20041207、id:PIG-M:20050119、id:PIG-M:20050125、id:PIG-M:20050506、id:PIG-M:20050518

*1:イケメンの方は、表情に乏しい、という設定なんだけど、その分内面が微妙に間違った方向に熱くてナイスw

*2:字体やサイズを使い分けてたり

*3:クリームをかけにくる(実際にはカップに注いでる)、というシチュの