• SISTER SCREAMING I DIE「LOVEDRUG〜お母さんは甘えん坊〜」

 横山私刑さんの新刊は、オリジナルの母子相姦モノ。と書くとなにやら淫靡で背徳なイメージを想起するでしょうが、あにはからんや、昨年の夏コミでリリースされた「Ruf-Neck Piano」の方法論をさらに推し進めた意欲作。前作は登場キャラが多かった上に意欲的要素を盛り込みすぎたせいで、良くも悪くも詰め込みすぎな印象がありましたが、今回はキャラをピンポイントに絞り込んだせいで、キャラの濃度がアップ。つーか、主役の「郁子ママ」がなかなかキャラが立ってて良いカンジ。職業「声優」っていう「ママ」設定もありそうでなかった気がするし。かなり複数の声優の設定が混在してますが、特定のモデルはいないそうで。ぶっちゃけ横山さんの「俺ママ」を具現化したキャラと言えましょう*1
 そんなキラー・キャラなママと、オタ嫌いな息子*2とのやり取りはかなり軽妙なトーンで描写されており、ここら辺の軽やかな感じは前作よりも格段に進歩してる。惜しむらくは、まだ遠慮が残ってるかな?と。今回の作品で散見できるギャグ風味なまでにデフォルメした表情とかをもっと挿し込んでいったほうが、さらにアクセントとしての作用が増したのでは?オチのページのママのお茶目なデフォルメっぷりはかなり魅力的だと思うんで、そこら辺をもう少しプッシュしてみても面白いかと。
 エロ・シーンに関しても、今回はかなりクリティカルなシチュを繰り出してきてます。基本は甘々でママに翻弄されまくりなのですが、中でも凶悪だったのが「ママに抱っこされ、手コキされながら母乳を飲む」というシチュ。これは新鮮なシチュだw。ママの母性を表現する手法としても機能しており、このシチュ一発でこの作品はOKだろう*3。特殊なプレイなどをしていないのも好し*4。描写として特徴的なのは「舌」。今回は舌を効果的に魅せており、そのねっとりとした表現は退廃的でナイス。それと、ママと息子との体格的な差異も良い塩梅。年の差カップルの基本どおり、適度に肉に溺れているカンジが宜しい。
 今回最も顕著なのは、横山さんが楽しんで描いてるのがダイレクトに伝わってくるコトだろう。従来の作品だともう少し線が重く、描き手の緊張や意欲のみが先走ってしまってる印象があったのだが、今回は無論意欲もガンガン伝わってくるんですが、それ以上に線が良い意味で走っていて、軽やか。確実に「一線」を超えた印象があるなぁ。相変わらず「民明書房」とか「魔性のスリーパー」とかのコネタも挿し込まれてるし、良い意味でエンターテインしてて、明るく楽しくエロい作品に仕上がったと思います。オススメ。
HP>http://www15t.sakura.ne.jp/~angelynch148/
ex.>id:PIG-M:20040907

  • 少女交錯「エルという少女の物語+第八話+[もう一人の乳天使]」

 eltoleさんトコの新刊は、お馴染みのシリーズ第八弾。ストーリーとかに関しては過去review参照。今回は従来のシリーズの主人公「ミルト」と対を成すと思しき新キャラ「リーチェ」が登場。超乳で泣き顔がよく似合うキャラっていうと「ミルト」と変わらない感じですが、決定的に違うのは「リーチェ」がまだ処女だという点。その喪失の瞬間がドラマとしてどう活かされるかに期待が持てますが、そこに至る道のりは遠そうですw。新キャラが登場したはいいけども、お約束の乳嬲りにページ数の大半を使ってしまい、ストーリーは進展していません。エロ同人誌であるから当然といえば当然なのかもしれませんが、ストーリーものの側面も持ち合わせているので、こうもストーリーが進展しない状況っつーのももどかしくはあるのですが・・・贅沢かね?しかも、今回は仕上げが間に合わずトーンの無いページが半分近くありまして、ちょっとトータルでは微妙な印象は否めません。ペン入れは終わってるのですが、ペンのみの絵って一番キツいんだよね。ラフみたいな「ゆらぎ」がないし、なによりそこに手を加えていくのを前提とした絵だし。HPとかで現状もチェックしてるのでやむなしとは思いますが・・・。好きな作家さんだし好きなシリーズなのですが、今回はちょっと・・・ね。次回に期待します。
HP>http://homepage2.nifty.com/angelicangel/
ex.>id:PIG-M:20030827、id:PIG-M:20040118、id:PIG-M:20040907

  • Steel Mayonnaise「Steel Mayonnaise6」

 商業誌でもお馴染みの、ひぐちいさみさんの個人サークルの新刊が久々にリリース。ギルティギアのディズィーたんおしおきご奉仕輪姦本。ひぐちさんの作風の特徴は、大まかに分けてラヴラヴで甘々なテイストと、ゴリゴリのエロとの二通りに分別出来るのですが、今回はゴリゴリ系。ひぐちさんお得意の多人数プレイでmoshしまくりw。しかも初手からいきなり子宮口責め&断面というマニアックなシチュで大暴れ。今回はやたらと断面図を多用してまして、なんだかもうエロいっつーよか医学術書とか読んでんじゃねぇの?ぐらいな錯覚を覚えますw。直截的で粗野なテキストは、なんか微妙w。ちょっと説明っぽくなっちゃてるので、もう一ひねり欲しいかも。とはいえ、完全にエロに特化したGrind仕様なんで、全然OK。問答無用なノリが宜しいと思います。トーンやベタを一切省いた白い仕上がりですが、これは時間が無かったというよりは、はなっから処理するつもりが無かったと思しき作風なんで、俺的にはアリ。そういうのを気にする方は、要注意。
HP>http://www16t.sakura.ne.jp/~higuisa/

*1:今回の後書きは横山さんのダメなself boastが炸裂しまくってるんで必読w

*2:軽くショタ風味が入ってるトコも見逃せない

*3:このあとで、それまでは「母さん」と呼んでいた息子が「ママ」と呼ぶようになってれば(若干幼児退行をさせていれば)ショタ・マニアも納得だったw

*4:普通のエロとの差別化として、肉親同士のエロはオーソドックスなほうが良くない?