• 女神教典「わくわく女神ランド!!VER.2」

 青樹零夢さんのサークルの新刊は、厳密に言えば改訂版といった趣。昨年の夏コミでリリースされたフルカラーDOAマンガに数ページ足した作品と、やはり以前リリースされてるおねティ・マンガも未完成部分を完成させて再録。青樹さんは今ではアニメ業界の人として認知されてると思いますが、個人的には同人作家のイメージが強かったり。何故なら、ARTラクガキ時代(つーか、最初の同人誌「ラクガキトラップ」から)以来ずっとチェックしてる作家さんだったりするワケで。一部中古屋で9万とかの値段がついてる1993年リリースの限定本とかも普通に持ってたりするのです。
 ちなみにその限定本なんですが、言うなれば会員限定本というような代物だったのです。当時、青樹さんの後援会というかファンクラブ的な組織がありまして、そこを介して通販とかを行っていたのです(それが「夢幻回廊」という組織でした。後にこの組織は青樹さんサイドと対立し、解体されます)。で、この限定本っていうのは、その組織の会員だった人にのみ販売(厳密には貸し出しという扱いだったのですが)されました。これにはちゃんと理由がありまして、この本がリリースされたのは1993年と前述しましたが、この当時ってすでに同人誌の規制が始まってたんですよ。でも、この本は・・・(手元にあるんでジャケ写でも載っけよーかと思ったんですが、フォトレタッチ・ソフトを使わないと載せられないw)っつーのが秘密裏に販売された真相だったワケで。青樹さんのアニメ・トークなんかがかなり熱い内容で結構面白いんですけど、存在自体はイリーガルだというトコがなんともアングラ的っつーかw。
 そんな青樹さんの作風は、今でも若干名残が感じられますが、Old SchoolなLate80's美少女アニメな絵柄(平野俊弘風味っつーか)でスカとかもガンガン描いちゃうハードコアなエロをゴリゴリ描写するスタイル。さすがに最近はあんまスカとかは描いてませんが、汁気過多で多人数プレイを好んで描いてたり(今回のDOAとかが典型)、今回のおねティ・ネタみたく普通のエロとかでも画面の密度を濃くして、様々な体位やアングルからの描写を詰め込んだりするあたり、かなり洗練されたとはいえ、エロに対するハードコアな姿勢は変わってないかと。
 いろんなイミでOld Schoolな方にオススメな気がしますな(今風じゃないよね)。

  • 立派堂「H・H総集編 3」

 これまたヴェテランの作家さんであるH・H(a.k.a.本情ヒロシetc)さん。最近は自身のサークルでは活動せず、もっぱら寄稿のみといった状況ですが、そんな寄稿原稿をコンパイルしたのが、この本。H・Hさんの魅力といえば、やはりプランパー風味な肢体と汁(つーか、ぶっかけ)でしょう。90年代初頭の頃からすでに汁マニアっぷりは発揮されていたのですが(よくご飯とかにぶっかけて、それを美味しそうに食べるといったシチュのイラストを描いてらっしゃいました)その頃は体型とかは普通だったんですけどねw。本領を発揮し始めたのは、自身のサークルH・Hで活動し始めた頃からでしょうか。セラムンの時期に、巨乳を経てプランパーへと移行した気が。
 個人的にH・Hさんを気に入ってる理由に、絵もさることながら、そのマンネリっぷりが結構クセになったりしてるっつーのもあったりw。なんつーかRAMONES風味っつーかw。作品に対する熱量によって若干気合が入ったりもするのですが、やっつけ丸出しな作品なんかも描いちゃったりするトコなんかも相変わらず。今回収録の作品では、ダントツでうる星ネタが気合入ってますなw。やっぱ年代のせいだろうかw。これもやはりOld School向けかなぁ。あるイミ、アメリカン・ポルノなんかにも通ずる潔いエロでございます。