• うにたま「マルチ入門」「みみみ+」「好き好き EX」

 藤ノ宮悠さんと剣祐介さんのサークル。今回は新刊コピー誌と旧刊を入手。新刊「好き〜」は藤ノ宮さんの個人誌で、以前紹介した(ex.id:PIG-M:20040208)「ドレス」の本でも描いていた、お姉さん×少年ネタのシリーズ。コメディ・タッチで甘々なえちテイストが心地良い。ショート・ヘアーでメガネなお姉さん萌えw。前回の作品は甘酸っぱいemoテイストに満ち溢れた作品で、個人的にかなり高く評価していたのですが、今回の新刊みたいなコメディ系も上手いな。
 残りの2冊はいずれも2000年産で、まだ藤ノ宮さんが「藤ノ宮 由美」と名乗ってた頃の作品です。「みみみ+」は、けも耳少女3Pレズもの。けも耳少女たちが言葉を話さないトコはポイント高い気が。で、個人的に面白かったのが「マルチ〜」なんですが、タイトルどおりのマルチ本。つーか、藤ノ宮さんがTo Heartにハマり、2000年春に開催された伝説のイヴェント「こみっくパーティ」に参加した際の顛末が載っている、多分に日記マンガ・テイストな作品。なにげに毒っ気が効いてるテキストが面白いし、後半の座談会なんかも含めなんともOld Schoolな味わいに仕上がっています。どっちかっつーと、こういったコメディ・タッチな作風の方が地なのかなぁ。この頃は結構発行ペース良さげなんで、他の過去作品なんかも探してみようかしら。オススメのサークルです。

  • 恋☆天使同盟「ゆえまつり」

 愛さんの個人サークルの新刊は、ネギま!の夕映本第二弾。前作から引き続きネギの肉奴隷となり堕ちていく夕映を描いています。淡々とした語り口で切々と綴る夕映のモノローグと、より激しさを増す過剰なエロ・シーンとのマッチングの妙が冴えています。以前から注目していた作中の書き文字に代表されるエフェクトが、今回はより高度で重層的に表現されてまして、かなりオリジナリティを感じさせるスタイルを確立させつつあります。とにかく執拗に隙間を埋め尽くしていく手法は、90年代の多重トーンの時代にも見られた手法ですが、ここで愛さんがやってるスタイルは、それとは明らかに異なる効果を発揮しています。
 今回から新しいソフトを導入したそうですが、それの機能テストも兼ねてるのかは分かりませんが、とにかく画面の中にあらゆる効果を駆使した画像処理エフェクトを重ねまくっているんですが、それと元絵の線の太さが妙な化学反応を引き起こしていまして、独特の粒子の粗さを醸し出しています。この粒子の粗さっていうのが面白くて、ただ単に雑なだけっていうのとは明らかに一線を画しているんですよ。なんつーか、ある種のソフト・フォーカスがかかったような印象というか。そこに、幾重にも幾重にも様々な画像処理が施された効果音のエフェクトがWall of Soundの如く重ねられると、一種異様な絵が生れ落ちるのですよ。音圧ならぬ画圧が高いっつーか(画像掲示板の絵のテイストに近いかも)音が割れまくってるっつーかw。
 大ゴマをガンガン用いるスタイルも、その独特の絵の力を前面に押し出す良い効果になってるし、特に後半の圧倒的なパワーでグイグイ押しまくる様は、壮絶の一語。つくづく不思議な魅力を持った作家さんです。今回はジャケや裏ジャケ(何気にspellミスがあるけどなw)がやたらとキャッチーなんで、ジャケ買いした方なんかもいらっしゃったでしょうが、中身読んだら卒倒しかねんぞw。
 未だ発展途上な感のある作家さんなんで、これからどう化けていくのかが楽しみです。で、ちょっと気になったのが、今まで魅力を感じていた投げやりな本編以外の部分。今までは初期衝動テイストで面白かったんだけど、だんだんお約束みたいになってきた気が。次はそこら辺の変化も期待したいところ。ともあれ、この破天荒なパワーは筆舌には尽くしがたいので、是非一度ご覧あれ。俺は大好きです。
ex.>id:PIG-M:20040309