• うさへえ「兎の麻薬は甘い味」

 うにへえの神楽さんの単独ユニット。このユニット名での作品は相当久しぶりな気が。たしか前もうさ耳系だったと思うのですが。今回の作品は短編集で、登場人物が微妙に関連しあっています。イントロとアウトロがショート・カット・チューンで構成されてるんですが、イントロのセリフ回しから神楽さん節全開。
 「タバコっていーよねー」「どこが?」「ため息ついてもばれないから。」
 こういう感覚に魅力を感じられないと、あんま面白くないかも。殊更特別なステートメントがある訳ではなく、表現されている内容は普遍的な思春期の感情や思考だったりするのですが、それを淡々と描写しているせいか、あまり説教臭くはありません。ただ、淡々としているとはいえ、時折出てくる何気ないセリフに潜んだ狂気じみた凄みにはドキッとさせられます(リストカッター少女が自傷する理由が「赤色かどーか不安だから」っていう件は・・・)。でも、以前の作品に感じられた不安定さが薄らいでいる様に感じるので、こういったセリフが飛び出してきても暗澹たる気分にはなりませんでした。
 登場人物が全員うさ耳なのは、やっぱ照れ隠しなんだろうか?このテの作品にありがちな「単なる良い話」に収まってない辺りに好感が持てます。今回もオススメです。

  • eso aparte「Buena suerte!」

 うしまるさんの個人サークル。基本はwebでの活動の様で、今回のオフセはwebマンガの番外編的な位置づけだそうで。web版もちょっと読んだのですが、個人的にはオフセ版の不安定な線の方が好みだったりw。線のカンジなんかは酸欠集のさんずいさん辺りに通ずるものがあるかも。ベースとなる作品は、ブラコンの妹とその兄の物語「Paella(ぱえりあ)」と魔法少女ものの(こっちも微妙にブラコン風味w)「天からノリコ。」。
 オフセでは、これらの作品にwebでは登場してないキャラなどを絡ませていたりしている仕様。絵やキャラも可愛いし萌え要素もありコメディのノリなんかも良いので、かなり好感の持てる仕上がりです。つーか普通にその辺の萌え系雑誌で連載してもウケるんじゃないだろうか。きらら系好きは要チェック。オススメでございます。