前作"Lily of Da Valley"から実に2年ぶりのリリースとなった今回のアルバム、期待に違わぬ内容となりました。D.A.の魅力といえば、やっぱり曲の良さなワケなんですが、今回も魅力的な楽曲がかなり収録されてます。まぁ、かなりっていうのがミソなんですが。D.A.のサウンドってものスゴく端整で抑制が効いてて、その洗練されたサウンドと良質な楽曲のアンサンブルが素晴らしいのですよ。言うなれば極度にデオドラントされている、とでも申しましょうか。ただ、逆に言えば圧倒的にコントロールされ過ぎていて、フィジカル性が欠落している、とも言えます。ロックが本来備え持っているルーズさや制御出来ない感情の発露といったものとは無縁のサウンドを展開していて、どんなにハードでエッジの立ったサウンドを鳴らしていようとも、それは心地よくは聴こえても感情に訴えかける力としては極めて脆弱である、と。そういったフィジカル面での弱さは今回の一部の楽曲でも露呈してしまっていて、そこらへんは相変わらず退屈極まりないんですが、それ以外は総じて高レヴェルな内容で、この夏も随分お世話になりました。
 前述したデオドラントされたサウンドっていうのは別に悪く言ってるのではなくて、それはなかなか新鮮に聴こえるのですよ。かなりアグレッシヴで独特な攻撃性を持ったサウンドを鳴らしながら、異様なまでに肉体性を感じさせないサウンド(それでいてデジタル的でもなく)っていうのは今の日本じゃないと出てこないサウンドなのかなぁ、とか思ったりもするワケで。D.A.もこれでタフガイな兄さん達が演ってりゃあliveとかではなんとなくモダン・へヴィネスっぽく観えるのかもしんないですが、実際は虚弱体質っぽいメガネくんがギター弾いてたり、意味不明なダンサーが微妙な踊りを踊ってたりするんで(HAPPY MONDAYSのBezみたく存在感ある訳でもなく)ティピカルなそれ系バンドよかよっぽど狂ってる様に見えますが。ともあれ、k.j.がもう少し大人になって落ち着いてきたらwもっと面白い音楽を演ってくれそうなんで、今後も頑張っていただきたいものです。蛇足ですが"Life Goes On"は未収録なんで、自分で買って編集しましょうw。俺は3曲追加して曲順をいじったMDを愛聴してますw。