• 鶯屋「いつでもnonchalant!」

 鶯神楽さんの個人サークルの、夏の新刊。今回はマブラヴ本。後述する甲冑娘の新刊でもマブラヴを描いていて、結構ハマった様で。シャープな絵柄は相変わらずで、それでいて女の子の表情なんかがとてもキュートなので、読んでて気持ちいいです。SDキャラみたいな頭身の低いギャグっぽい絵柄なんかも駆使して、芸の細かさもマスにアピール。ただ、どうも今回は画面的にメリハリが乏しくて、ちょっとフラットでひっかかりの無い印象が。今夏の作品では、三絃堂学園のいつものシリーズが、相変わらずのノリとクオリティを魅せてくれてます。でも、どうも個人誌だと地味な気が・・・(愛は感じるんでいいんですがね)。

  • 甲冑娘「私立三絃堂学園購買部8號」

 甲冑娘のお馴染みのシリーズの最新刊。今回はとうとうメインのシリーズよりも厚くなってしまいましたw。でも、相変わらず読み応えがあって、期待に違わぬ内容。冒頭からお馴染み田丸浩史さんのなげっぱなしマンガで脱力。他にも前述した鶯さんのラヴラヴエロエロ作品や、時間がなかったのか田丸さんばりに投げっぱなしな逢摩さんのショート・チューンなど見所満載。個人的には神楽つなさんの三絃小話のいつも以上のキレっぷりが素敵でした。こういう同人誌は、ちゃんと専門店でも買えるといいのにねぇ。オススメです。

  • 甲冑娘「マヨネーズ戦争」

 で、こっちが甲冑娘夏のメイン新刊。ある程度メンバーが固定されてて安定している三絃堂シリーズに比べると、こちらはより多様なメンツで構成されているのが特徴。今回はいつもより薄く、ちょっと元気がないかも。ただ、いつものノリは健在で、それがあるかぎり俺はここの本を買い続けるだろう。 甲冑娘の魅力は、そのオールド・スクールなノリにある、といえよう。ここの作品は所謂コンピレーション(マンガの業界ではアンソロジーか)のスタイルだ。このスタイルは男性向け同人の世界では古くからみられるもので、元々は友人、知人達の共同作業的な意味合いで作られていたが、徐々に商業的な色合いが濃くなっていき、90年代に入る頃には同人誌の編集者のような者まで現れ、本来の意味合いは薄れていった。こういった商業スタイルは隆盛を強めていくのだが、当然の様に金銭トラブル等で瓦解するケースも増えていった。コミケ・カタログ並の厚さの本をリリースしていたサークルなんかがその典型といえよう。そんな中にあって、この甲冑娘の本には、かつての古き良き同人誌の薫りが漂っているのだ。作家同士の交流や、編集の悪ふざけ、最近はなりをひそめているが、実写企画など、オールド・スクーラーなオタクの琴線に触れまくるテイストを醸し出し続けている、希少なサークルの一つ。寒いとは分かっていても、それでもやっぱりこういうノリに反応しちゃうのが、ジジィなオタクの悲しい性なのね。ちなみに、今回の本では、巻末の道満さんの半日記漫画が白眉。せつねぇ。

  • JBJ川崎「沖縄ブラマボー」「SHAVED FISH」

久々に購入できた、新カワサキさんの個人サークルの同人誌。前に買ったのがA5のあずまんが本で、それ以降なかなかタイミングが合わずに買いそびれていたのだ。「沖縄〜」は、春にリリースされた、最後のあずまんが本。あずまんがの同人ってそれこそ掃いて捨てるほどリリースされたけど、意外に印象に残る作品は少なかったのだが、ここの本は印象に残っていた。なぜなら、独自のフレーヴァーが作品に加味されていたから。あずまんがのテイストを残しつつ、しかしきっちりと自分のエッセンスも注入している。これって当たり前のように思われるかもしれないけど、結構出来てない作品が多いんですよ。新カワサキさんの世界のあずまんがキャラは、よりアッパーで活き活きしていて、それでちょっとえちぃw。このキャラ達にもう会えないのは寂しいケド、新刊のディスガイア本でも新カワサキさんのテイストは健在なので、また新しい作品に期待したい。ちょっと見ない間に絵も前より洗練されたし、画面も見やすくなった。まだまだ上手く、面白くなると思うんで、今後も頑張って欲しい作家さんです。オススメ。

  • ジ○トピア「のろいnoびでお2」

 やまと将臣さんの新刊は、冬コミの続き。タイトルから想起される映画とは、シチュエーション以外ほぼ無関係です。前作以上に甘々なシチュが満載で、甘ったるいことこの上なしw。俺は大好きだがな。個人的にはやまとさんの作品っていうと、昔の鬱で暗いイメージが強いのだが、昨年の夏コミの水月本で魅せたエモな展開や、この「のろい〜」シリーズの甘いテイストなどに代表される、近年のやまとさんの作品の方がいいなぁ。読んでてニヤつくナイスな一冊。前述の水月本もコミでオススメです。

  • bolze.「耕一・・・好きよ(後)」「SCAVENGER RELOADED」 「Baby Bitch/Super Bitch」

bolzeの新刊は3冊。「耕一〜」は足かけ3年ちょっとに渡って描かれた3部作の完結編。「痕」のパロで、梓との甘々えろえろモノだったが、やはり最後にエモいエピソードを挿入してきて、上手く〆てくれた。結末まで時間がかかった以外はいい作品だったと思う。でも、3部作まとめて1冊にしたらもっと破壊力あるかも。「SCA〜」は昔から幾度か使われたタイトルのシリーズ。ほとんどbolzeのライフ・ワーク化している天地無用ネタのラフなショート・チューン。10年も天地ネタ描き続けてるんだから、ホント好きなのね(俺が最初に買ったのも「今が旬!(1)」だし)。タイトルがカッコ良すぎる「baby〜」はステルヴィアもの。・・・似てね〜w。近年のbolzeでありがちな、ド直球な輪姦モノ。カッコいいのがタイトルだけっていうのはいかがなものか。でも、こういったフロア向けな機能限定作品っていうのも、らしいんだけどね。3冊中の1冊としての位置づけとしては、アリかな。

  • 666の丘「ZOOM ZOOM ZOOM 2」

 以前より知ってはいたが買ったことがなかった、66-夢王さんの個人サークルの新刊。女性の作家さんの同人誌なんかでみかける、ちょっと変わった本文の印刷形式に、若干戸惑う。つーか、ちょっと読みにくいです。中身はオリジナルの続編という位置づけで、この本だけでも楽しめるけど、前作も読んでおきたいな、と。学園モノのえろラヴコメといった体で、個人的には好きなパターン。この1作だけではあれこれ言えませんが、興味が湧いたのでちょっと他の作品もチェック。

  • リングス江古田「らぐなろく大王2.1くらい」

 加ト茶さんの個人サークルの新刊は、お馴染みのシリーズの新作コピー誌。ここを知ったのちょっと遅くて、一昨年の冬コミで知りました。独特の味のある投げっぱなし感が気に入って、以来チェック入れてます。今回は、ここんところ続いている、ラグナとあずまんがクロスオーヴァーものの最新作。今回は田丸さんパロやごっつパロ(ちょっと前にネットで局地的にはやったしなー)なんかを織り交ぜつつも、いつもの調子で突っ走ってます。あえて難を挙げれば、ちょっとゲスト原稿が多い気がw。